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年頭
「年頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
年頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
人からは眼をかけられていた。正直いちずなお時はよくよくこれを有難いことに心得て、
年頭や盂蘭盆《うらぼん》には毎年かかさずお礼を申上げに出た。 そのうちに年が経....
「守の家」より 著者:伊藤左千夫
母から「お前はもう大きくなったからお松は今年きりで今日家へ帰ったのだよ、正月には
年頭に早く来るからね」と云われて自分は平気な風に汁掛飯を音立てて掻込《かきこ》ん....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。 「やあ、いらっしゃい。まずおめでとうございます」 いつもの座敷へ通されて、
年頭の挨拶が式《かた》のごとくに済むと、おなじみの老婢《ばあや》が屠蘇の膳を運び....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
春めいた。例年よりは見事な年暮の下され物が、奉公人を欣ばした。五日の晩になって、
年頭の客も絶えたので、奉公人一統に祝い酒を許されたのであった。 主人の孫太夫は....
「蓄音機」より 著者:寺田寅彦
かかえて家内じゅうの世話をやく心せわしいさびしさのうちに年が暮れて正月になった。
年頭の儀式は廃しても春はどこやら春らしくて、突きつまったような心にもいくらかのゆ....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
がって、檀中や何々講の総代の家を訪れた。院主は常に経堂再建、ケーブルの敷設計画、
年頭年始何やかやと多忙であったから。 ある総代の奥座敷へ通ると、生まれてまだ乗....
「白光」より 著者:井上紅梅
の長屋を借りて住む趙錢李孫(源平藤橘)は長いしきたりを知っていて、およそ県試験の
年頭に当り、成績が発表されたあとで、このような彼の眼付を見ると、※々門を締めて、....
「時 処 人」より 著者:岸田国士
もりはないが、年々歳々、違つた場所で正月を迎えるのが例のようになつてしまつた私の
年頭感は、まず、ああ今年は、こんなところで年をとることになつたか! である。 ....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
である。 この二つの山は、平野から北へ眺める一番深い山である。十月半ばには、毎
年頭に白い雪を冠る。里の人々は『越後山に雪が降ったから、そろそろ稲刈りがはじまる....
「健康三題」より 著者:岡本かの子
れたがっているのだ。私は憐み深く胸を出してやる。 春の浜別荘 暮から
年頭へかけて、熱海の温泉に滞在中、やや馴染になった同じ滞在客の中年の夫婦から……....
「入れ札」より 著者:菊池寛
助の入れてくれる一枚の他には、今一枚を得る当は、どうにもつかなかった。乾児の中で
年頭でもあり、一番兄分でもある自分が、入れ札に落ちることは――自分の信望が少しも....
「年賀郵便」より 著者:岡本綺堂
の義理を済ませるということはなかった。まして市内に住んでいる人々に対して、郵便で
年頭の礼を述べるなどは、あるまじき事になっていたのであるから、総ての回礼者は下町....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
居りました。すると翌六日の夕方に、稻垣小左衞門という粟田口國綱のお係りの役人が、
年頭のお帰りがけと見えて、麻上下の上へどっしりとした脊割羽織を召し、細身の大小を....
「今年の抱負」より 著者:大倉燁子
一つ自分自身に満足するような作品を書きたいと思う。 × これが
年頭に考えた私の今年の抱負である。....
「夏日小味」より 著者:北大路魯山人
めて、用意の控えの座敷に直ったとき、にこにこ、ぞろぞろ這入ってきた紅裙さんたちの
年頭が言う、 「お早うさん……」 の次は、直ちに、 「今朝、なんでままおあがり....