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「幸か不幸か〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

幸か不幸かの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
早春」より 著者:芥川竜之介
か? けれども捲怠を生ずるためには同一のものに面しなければならぬ。今日の三重子は幸か不幸か全然|昨日《きのう》の三重子ではない。昨日の三重子は、――山手《やまの....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
がら、幾多の戦いを想像し、おのずから心悸《しんき》の高まることがある、しかしまだ幸か不幸か、わたし自身その武器の一つを執《と》りたいと思った記憶はない。 ....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
すでにその自由討究を始めているべきはずなのである。にもかかわらず実際においては、幸か不幸か我々の理解はまだそこまで進んでいない。そうしてそこには日本人特有のある....
放送された遺言」より 著者:海野十三
ところがせっかくの覚悟も何の役にもたたないほど事実彼はひどく興奮したというのは、幸か不幸か、彼の聴いた地球以外からはじめて到達した言葉の内容は、冒頭にのべたよう....
追憶」より 著者:芥川竜之介
だった。僕はこのヒサイダさんに社会主義の信条を教えてもらった。それは僕の血肉には幸か不幸か滲み入らなかった。が、日露戦争中の非戦論者に悪意を持たなかったのは確か....
壊れたバリコン」より 著者:海野十三
が同伴して来た三人の将校達は、多分仏蘭西語と思われる外国語で話をしつづけました。幸か不幸か、仏蘭西語は僕には何のことやら薩張り意味が判りません。唯三人の将校の顔....
赤外線男」より 著者:海野十三
尤もホームは至って閑散で、そんなことには超人的な記憶力をもっている若い男たちが、幸か不幸かその近所に居合わさなかったせいにもよるだろう。そこへ上りの品川廻り東京....
」より 著者:海野十三
、近頃の私自身の気分の悪さについても、早速思いあたらねばならなかったのであるが、幸か不幸か、私には蠅の雌雄を識別する知識がなかったのである。 実は私は――理学....
地球盗難」より 著者:海野十三
で代志子坊やが声でもたてれば、さぞやお美代と大隅学士とを驚かしたことであろうが、幸か不幸か、このとき坊やは異変の為か半ば昏睡状態にあって、丘をすこし向うへ越えた....
地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
獄の門をくぐるときまで、その調子で、へらず口を叩き合っていたことだろう。――が、幸か不幸か、そこへ邪魔ものがとびこんできた。頭を割られて、顔半面まっ赤に血を染め....
成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
います。 Tと私との最後は、私が自分で計画したように自然にはゆきませんでした。幸か不幸かちょうどそのとき私はOにぶつかったのです。 私はもしOの愛をすぐに受....
人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
を生きのびるためには、何としてもおもしろい写真を作るほかはなかつたろう。ところが幸か不幸か彼にはそうした才能があつた。かくて彼の才能は迎えられた。実際はかかる才....
四十年前」より 著者:内田魯庵
鉄腸らの小説、間接にはこれらの新傾向を胚胎した英国の政治家的文人の典型であった。幸か不幸か知らぬが終に半生を文壇の寄客となって過ごしたのは当時の青春の憧憬に発途....
美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
その隙に、素早く、花は抱いていた松吉と達也様をすりかえてしまったのでございます。幸か不幸かその当時の二人は瓜二つでした。 そこへ戻ってきた乳母やさんは愕いて身....
蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
旦那様の首筋に噛みつき、そのために倒れて谷底にお落になったのだそうでございます。幸か不幸かお顔がめちゃめちゃに砕けたので分らなくなりましたが、そうでなかったら、....