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「幸運児〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

幸運児の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ふもれすく」より 著者:辻潤
牲に供する覚悟でいる。それを考えると、僕は無一物の放浪児ではあるが一面なかなかの幸運児でもあるのである。故に僕は、進んで一代の風雲児をあまり羨望しようとはしない....
深夜の市長」より 著者:海野十三
さん……でしたネ。傷は勿論貫通銃創で、弾丸は外へ抜けています。川田さんは天下一の幸運児ですよ。ピストルの弾丸は、長頭膊筋を撃ち抜いていますが、その中には動脈だの....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
となった。彼は、まだ白面の青年だった。 このアルゴン大将は、どっちかといえば、幸運児でもあった。彼は、軍人であるうえに、科学者でもあった。彼は、当時大尉であっ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
仏前に焼香する資格があるのだ。われこそはその萩乃のお墨つきを手に入れて、きょうの幸運児になろうと眼の色変えて押すな押すなの騒ぎだ。 ここへ馬を乗りいれた源三郎....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
から、サルマタから、靴。何から何までじゃないか」 「アッハッハ。正宗クン。キミは幸運児だよ。入社みやげに、身の廻り一揃い、たゞで買ってもらえるなんてね。運がいゝ....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
やはりこの友を侮り難い秀才と思った。その後だ、この友からの手紙に、 「君は順境の幸運児なり。僕は逆境の薄倖児なり」 とあったのは。私はそれを読んで、胸を打たれ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の苦悶があった。――彼は、名誉を負って江戸へ上ってから一門のうちで一ばん恵まれた幸運児のように見えているが、事実は、最も辛い試練に立たされていたのだった。 「甥....
エタと非人と普通人」より 著者:喜田貞吉
不幸にして世の進運に後れ、社会に落伍したものは賤ともなり、卑ともなる。しかもその幸運児の子孫は永久の幸運児でなく、落伍者の後裔は永久に落伍者たるべき約束はなかっ....