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幻
「幻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
のも、一応はもっともかと存じられますくらい、この摩利信乃法師の仕業には、いろいろ
幻妙な事が多かったのでございます。
十二
と申しますのは、....
「影」より 著者:芥川竜之介
と結婚した一年以前と変っていない。こう云う幸福な周囲を見れば、どんなに気味の悪い
幻《まぼろし》も、――いや、しかし怪しい何物かは、眩《まぶ》しい電燈の光にも恐れ....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
神秘な呪《のろい》の力か、身動きさえ楽には出来なかった。
その内に突然沈黙が、
幻の男女たちの上へ降った。桶の上に乗った女も、もう一度|正気《しょうき》に返った....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
西《フランス》に住もうかと思うことがある。」
「それは誰でも外国人はいつか一度は
幻滅《げんめつ》するね。ヘルンでも晩年はそうだったんだろう。」
「いや、僕は
幻滅....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
の》と、近所の寄席《よせ》へ出かけて行った。
手品《てじな》、剣舞《けんぶ》、
幻燈《げんとう》、大神楽《だいかぐら》――そう云う物ばかりかかっていた寄席は、身....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
岸《いいだがし》と変らなかった。僕は当時|長江《ちょうこう》に沿うた大抵の都会に
幻滅していたから、長沙にも勿論豚の外に見るもののないことを覚悟していた。しかしこ....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
まった。ああ、あの騎兵たちも、寂しさはやはり自分と変らないのであろう。もし彼等が
幻でなかったなら、自分は彼等と互に慰め合って、せめて一時《いっとき》でもこの寂し....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
》の毛皮、それから壁上の太刀《たち》や剣《つるぎ》、――すべてが彼には、怪しげな
幻のような心もちがした。殊にこの若い女は、きらびやかな頸珠《くびだま》や剣を飾っ....
「少年」より 著者:芥川竜之介
のように通じている。これは一体何のために誰のつけた印《しるし》であろう? 保吉は
幻燈《げんとう》の中に映《うつ》る蒙古《もうこ》の大沙漠《だいさばく》を思い出し....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
又
我我の――或は諸君の幸福なる所以も兎に角彼等の死んでいることである。
幻滅した芸術家
或一群の芸術家は
幻滅の世界に住している。彼等は愛を信じない。....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
た。女人《にょにん》に愛楽を生じたためしは、古今の聖者にも稀《まれ》ではない。大
幻術の摩登伽女《まとうぎゃにょ》には、阿難尊者《あなんそんじゃ》さえ迷わせられた....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
も私にはわかりません。まさか先生が張氏の家へ、秋山図を見に行かれたことが、全体|
幻《まぼろし》でもありますまいし、――」
「しかし煙客先生《えんかくせんせい》の....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
落ちたようにも覚えている。が、どちらも確かではない。とにかく彼はえたいの知れない
幻《まぼろし》の中を彷徨《ほうこう》した後《のち》やっと正気《しょうき》を恢復し....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
うようにしてしまった。 吾々人間は云わばあとからあとへ生れて来る愚にもつかない
幻影に魅せられて、永久にその嬲りものになっているのだ。 ところで私は年をとると....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
力が利いていて、それが善良なひとびとの心に呪いをかけ、そのおかげで彼らはいつでも
幻想にふけりながらうろついているのである。彼らは、ありとあらゆるふしぎな信心に夢....