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幻出
「幻出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幻出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「河明り」より 著者:岡本かの子
入る陽の光がステンドグラスの加減で、虹ともつかず、花明りともつかない表象の世界を
幻出させている。それを眺めていると、心が虚になって、肉体が幻の彩りのままに染め上....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
！ 鉄砲足軽百人を出し、撃って取ろうとしたところ、狙うことさえ出来ないそうだ。変
幻出没するそうだ。おっ！ 出没で思い出した。蜈蚣衆を呼べ、蜈蚣衆を！」 隣室に....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
う名乗りも、大方、自分がつけたのではなく如何なる真の闇夜をも、白昼を行く如く、変
幻出没が自在なので、世間で与えた、渾名《あだな》が、いつか、呼び名になったのであ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、陳が来ると直ぐに鬼物があらわれました。 鬼は昼間でも種々の奇怪な形を見せて変
幻出没するのでした。しかも陳は元来剛猛な人間であるのでちっとも驚かず、みずから弓....
「青年」より 著者:森鴎外
に、お勝の技倆に敬服して、好くも外の子供を糾合してあんな complot の影を
幻出することだと思った。今己がこの事を思い出したのは、寂しさの感じから思い出した....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ときた日には格も法も一切｜蹂躪《じゅうりん》し去って野性｜横溢《おういつ》、奇妙
幻出、なんとも名状することができないのがあまりに不思議でありました。 兵馬は剣....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
マドロス君と言い、この七兵衛と称するおじさんと言い、今日は実に、解しきれない変
幻出没――さすがの茂太郎が当惑しきって、 「おじさん、いつここへ戻って来たの」 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に新しい世界が、新たに展開した心持がしました。 新しい世界といっても、場内の変
幻出没のような夢の国の世界が現われたのではなく、尋常一様の両国回向院境内の世界で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の如く眼をかすめたからです。爾来《じらい》、この男が女性と見れば、その一人をしか
幻出することのできないらしい性癖は、名古屋に来てから暫く影をひそめたものですけれ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を曳いてがんりきを追い飛ばした馬子、ここでは土を担いだり石を運んだりさまざまに変
幻出没するけれど、要するに同一の人で、あのとき南条といわれて通った浪士らしい男で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を行うということであります。飯綱の法術は人を惑わすものであるというところから、変
幻出没を巧みにしようという輩《やから》は、この権現の特別な加護を蒙《こうむ》りた....
「操守」より 著者:豊島与志雄
。 宿酔《ふつかよい》の頭の中は、霧の夜の風景だ。奇怪な形象が、宙に浮んで、変
幻出没して、朧ろな光が、その間に交錯する。ひどく瞬間的で、その瞬間の各々が、永遠....
「首頂戴」より 著者:国枝史郎
ニ含ム所アリ、主トシテ大名旗本ヲ襲フ、島原ノ遊女花扇、是ト馴染ンデ党中トナリ、変
幻出没ヲ同ジウス、星五郎強奪度無シト雖モ、ヨク散ジテ窮民ヲ賑ス、云々。 兎まれ....
「文学に現れたる東北地方の地方色」より 著者:佐左木俊郎
ず、寧ろ広大なる丘陵の原野を走るが如き観をなせり。山もとより少なからず、しかも変
幻出没して雲表に豪然たる偉容を作れるは少なし。中国の山は立てり、東北の山は横はれ....
「日本の近代的探偵小説」より 著者:平林初之輔
から、驚くべき推理をしてみせたり、暗号を解いてみせたりしている。 変装とか、変
幻出没の超人的行為の力を借りない点において、ともかく、自然味をあまり損じていない....