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幻滅
「幻滅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幻滅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
西《フランス》に住もうかと思うことがある。」
「それは誰でも外国人はいつか一度は
幻滅《げんめつ》するね。ヘルンでも晩年はそうだったんだろう。」
「いや、僕は
幻滅....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
岸《いいだがし》と変らなかった。僕は当時|長江《ちょうこう》に沿うた大抵の都会に
幻滅していたから、長沙にも勿論豚の外に見るもののないことを覚悟していた。しかしこ....
「早春」より 著者:芥川竜之介
も見知らぬ不良少女になった。彼の熱情を失ったのは全然三重子の責任である。少くとも
幻滅《げんめつ》の結果である。決して倦怠《けんたい》の結果などではない。……
....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
又
我我の――或は諸君の幸福なる所以も兎に角彼等の死んでいることである。
幻滅した芸術家
或一群の芸術家は
幻滅の世界に住している。彼等は愛を信じない。....
「或る女」より 著者:有島武郎
》戦争が起こったころから葉子ぐらいの年配の女が等しく感じ出した一種の不安、一種の
幻滅――それを激しく感じた葉子は、謀叛人《むほんにん》のように知らず知らず自分の....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
縁の出店らしい。昨日生菓子を持ってかえって来て一つくれたが、まず甘い方であって、
幻滅のおそれはなきものだった。 ◯きょうは午後から武田光雄君が来宅せらるる旨、昨....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
」
「冗談じゃない」法水は道化たようななにげない身振をしたが、その顔にはいつもの
幻滅的な憂鬱が一掃されていた。
「どうして、僕の心理表出摸索劇は終ったけれども、....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
と一緒にマルセイユに上陸して、あるホテルに着いた時、フランスのこの自由はすぐさま
幻滅させられてしまった。受付の男が活版刷の紙きれを持ちだして、そこへ何か書き入れ....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
説破しました。何、竹にして売る方がお銭になるから、竹の子は掘らないのだと……少く
幻滅を感じましたが。」 主人は苦笑した。 「しかし――修善寺で使った、あのくら....
「中毒」より 著者:織田作之助
感じがしたのだが、最近その余り上手でもない辞世が新聞に出ているのを読んだ時、私は
幻滅した。私は座談会に出席して一言も喋らないような人を畏敬しているのである。女を....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
がら)最後の一片はもちろん僕たちの守護女神ともちゃんに献げるのさ。僕はなんという
幻滅の悲哀を味わわねばならないんだ。このチョコレットの代わりにガランスが出てきて....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
例えば、 「この男は人格的にゼロだ。はじめはもっと純情だと思っていたが、すっかり
幻滅した」 と、失望したり、また、 「この男は宗教的な感情を少しも持っていない....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
素気なく待遇われ、合力無心を乞う苦学生の如くに撃退されるので、昨の感激が消滅して
幻滅を感じ、敵意を持たないまでも不満を抱き反感を持つようになる。沼南ばかりじゃな....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
二葉亭は以前から露西亜を礼讃していたのではなかった。来て見れば予期以上にいよいよ
幻滅を感じて、案外|与しやすい独活の大木だとも思い、あるいは箍の弛んだ桶、穴の明....
「婦人の過去と将来の予期」より 著者:小川未明
この次に、起ったものは、自然主義の思想であった。このことは、一層、現実生活の
幻滅を裏付けた。そして、人間は欲望を離れて生活も存在もあり得ないと言うにあった。....