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「幼友達〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

幼友達の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
世相」より 著者:織田作之助
のは、昭和十五年の夏だった。その頃私の著書がはじめて世に出た。新聞の広告で見て、幼友達を想いだして来たと言い、実は折入って頼みがある。自分は今散髪の職人をしてい....
押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
ます。ちょうど東京の音楽学校の講師で、帝大の教授をやっている岡沢というのが、私の幼友達《おさなともだち》ですから、それに紹介状を書いて上げましょう。気心のいい夫....
雛妓」より 著者:岡本かの子
形の美しさだけを寵した。逸作は世間態にはまず充分な放蕩児だった。逸作とわたくしは幼友達ではあるが、それはほんのちょっとの間で、双方年頃近くになり、この上野の森の....
」より 著者:島崎藤村
可愛らしいでしょう」 と三吉もそこへ来て、自分がまだ少年の頃、郷里から出て来た幼友達と浅草の公園で撮ったという古い写真を出して、お福に見せた。 「まあ、これが....
渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
く、「お信様」と呼ばれる婦人と結婚したのである。 信子の母親は、佐々未亡人とは幼友達の間柄であった。 およしさんおよしさんといって遊んだ美しい人が、大蔵省の....
麦藁帽子」より 著者:堀辰雄
兄のところから、思いがけない招待の手紙が届いたのだった。 おお、私のなつかしい幼友達よ! 私は私の思い出の中を手探りする。真っ白な運動服を着た、二人とも私より....
選挙殺人事件」より 著者:坂口安吾
ラ小僧め、案外マグレ当りがあるようだから、ひとつ相談してやろう」 そこで寒吉は幼友達のタンテイ事務所へ駈けつけたのである。 ★ 巨勢博士....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
という古歌を読み聞かせては、妾の所為《しょい》を誡《いまし》め給いしほどなれば、幼友達《おさなともだち》の皆|人《ひと》に嫁《か》して、子を挙《あ》ぐる頃となり....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
序、さらば沙翁舞台よ すでに国書の御印も済み幼友達なれど 毒蛇とも思う二人の者が 使節の役を承わり、予が行手の露払い まんま....
」より 著者:上村松園
ちいさい頃から、いろいろの髷を考案して近所の幼友達にそれを結ってあげ、ともにたのしんだのがこうじて、年がつもるにしたがって女....
」より 著者:矢田津世子
羹のはいった鉢を自分で出しながら、 「飯尾さんは?」ときいた。 亡くなった母の幼友達で家に永らくいる老婦人のことである。 「母様のお墓詣りに朝早くから出かけな....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
けで、中ごろは交際が絶え、相談したのでも申合わしたのでもなかったが、相期せずして幼友達同士のこの二人が言文一致体を創めたというは頗る不思議な因縁であった。尤もこ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
山の無動寺から峰越えして大津へかかる途中の峠茶屋で五年越しの誤解を解き、お互いが幼友達の昔に返って、 (きょうまでのことは水に流して) と手を握り、 (貴様も....
私本太平記」より 著者:吉川英治
「次郎、よく帰った」 と、高時はうれしそうだった。いまは臣下でもない。一人の幼友達と見るような眼で、 「その深傷では、酒はのめまいが、杯だけを持て。新右衛門....
」より 著者:吉川英治
る者は、まだ帰らなかった。彦太は、広い、真っ暗な家を、空っぽにして、出て行った。幼友達の要助は、中野宿の川魚茶屋で、酒の支度をして、彼を待っていた。 彦太は、....