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「幼女〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

幼女の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
さようなら」より 著者:田中英光
ていた。山の頂きに父の回向院から貰ってきた、安政元年歿、釈清妙童女とされた七歳の幼女の無縁仏の石地蔵があり、毎夜かすかに泣き声が聞えるとのわが家の伝説の纒わって....
作家の手帖」より 著者:太宰治
お飾りが立っている。色紙に何か文字が見えた。私は立ちどまって読んだ。たどたどしい幼女の筆蹟である。 オ星サマ。日本ノ国ヲオ守リ下サイ。 大君ニ、マコトササゲ....
去年」より 著者:伊藤左千夫
となり、八月となり、牛乳の時期に向かって、不景気の荒波もようやく勢いを減じたが、幼女を失うた一家の痛みは、容易に癒ゆる時はこない。夫妻は精神疲労して物に驚きやす....
野狐」より 著者:田中英光
ったこともある。男や金のことでも、時々、嘘をついていた。しかし彼女の嘘は、例えば幼女の嘘のようにすぐバレ易く、それだけ、妻の頑固な嘘よりは、私にとって可憐に思わ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
イ/\声で言う事が、余程馴れた者でなければ聞きとれぬ。彼女は誰に向うても亡くした幼女の事ばかり云う。「子供ははァ背に負っとる事ですよ。背からおろしといたばかしで....
子供・子供・子供のモスクワ」より 著者:宮本百合子
、四時後、九時頃まではよたよた歩きをする年頃からはじまって小学校ぐらいまでの幼童幼女で並木通りは祭だ。その間を赤衛兵が散歩する。ピオニェールが赤いネクタイをひら....
われを省みる」より 著者:宮本百合子
渾沌が或る程度まで整理され、兎に角落付ける光がさして来たのです。 一体、私は、幼女の時代から、概して幸福といわれる境遇のうちに育ちました。子供にとって幸福とい....
白藤」より 著者:宮本百合子
談の間に、夫人が西村家の明治時代らしく、大づかみで活溌な日常生活の中で成人された幼女時代の思い出や、妻となり母となってからの生活の感想を理解するようになった。 ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
毛の方を抜いてしまう方が汚なくないなんぞと、頭の毛を引っつかんだりした、いけない幼女だったが、独逸人の教師の家へ寄宿して、やがて一高の生徒になると、忽ちあたした....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
って。 あの省吾という叔父のことはいつかもうすこし書いてみたいと思います。私の幼女時代に一番強烈な印象を与えた人の一人ですから。このひとの死が、初めて私につよ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
に百歳の老翁の如く、時に荒れ叫ぶ野獣の如く、又、美女の威ある如くむせび泣く如く、幼女の母を恋うるが如く、常に変幻ただならぬことは先に述べたが、主として美女の音声....
芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
んじょ》外手町に天理教の教会をおとずれた。父親の温かい愛は、慈悲と慈愛をもって、幼女を抱いてゆくように保護していった。そんな優しい心持ちの湧《わき》だすのを老伯....
樹氷」より 著者:三好十郎
リヤカアのきしり。金吾の足音、祭りばやし。 第10回 春子 金吾 敏子(幼女) 横田 石川 敦子 E 静まりかへった高原の夜の、山小屋の暖炉にパチパ....
胎内」より 著者:三好十郎
春がきた 春がきた どこに来た 山にきた 里にきた 野にも来た (暗い中で、幼女のようなあどけない歌いかたで、低い女声が歌う。それが村子の声であることが、し....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
感情生活は、最初から法外な緊張を課せられた。緊張した感動だらけな何年かが、彼女の幼女時代に続いた。それは彼女にとって興奮と恐怖と悲劇の期間だった。アラゴンのカサ....