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「幼子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

幼子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
薩の御像《おすがた》にも似ていないのでございます。別してあの赤裸《あかはだか》の幼子《おさなご》を抱《いだ》いて居《お》るけうとさは、とんと人間の肉を食《は》む....
職工と微笑」より 著者:松永延造
けない。それで刺客はドンドン駈け出して了ったのだ。そして老哲人の身代りに、可愛い幼子をふんずらまえたのだ……」 「うむそれで何うした?」と私は暗い好奇心を以て前....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
とでもない時は、食後は非常に眠いのであった。全く目があかないほど眠いのであった。幼子《おさなご》が夕食を食べながら居眠るように、幾日か続いた強行軍で、兵士が歩き....
運命」より 著者:幸田露伴
を為したるもの、此亦戮せられぬ。 方氏一族|是の如くにして殆ど絶えしが、孝孺の幼子|徳宗、時に甫めて九歳、寧海県の典史魏公沢の護匿するところとなりて死せざるを....
十二支考」より 著者:南方熊楠
に熟達し、ダーウィンの『探検航行記《ジョーナル・オヴ・レサーチス》』に南米土人が幼子を抱え裸で裸馬を擁して走り去る状を記し、真に古ギリシアの大勇士の振舞いそのま....
ことの真実」より 著者:宮本百合子
さ、不如意、不安であろう。 「流れる星は生きている」の著者が良人とわかれて三人の幼子をひきつれていた若い母であったことは、引あげの辛苦もなみなみでないものにした....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
新後の世の中のゴタゴタのころ、懐に金を入れて出たまま行衛《ゆくえ》不明になって、幼子と後妻だけが残ったのを、家を売った金や残りのものと一緒に実家《さとかた》の兄....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
かしかったのだ。」 おじさんたちにはわからない。ちいさな、てんしんらんまんたる幼子だからこそ、赤ン坊でいえば虫が笑わせるといった笑い――この場合では嘲笑《ちょ....
錦木」より 著者:宮本百合子
いきなりとってつけたようにこんなことを云い出す。 「そうでしょうか」 光君は幼子のようにびっくりしたかおをして話をきいて居る。 「だけれども又そこが好いとこ....
葦笛(一幕)」より 著者:宮本百合子
いそうなものさえある! 第二の精霊 お主の心の花の咲くのをまちかねて居るのじゃ、幼子の様なお主の瞳にかがやきのそわるのをまちかねて居るのじゃ。 第三の精霊はか....
千世子」より 著者:宮本百合子
―ホロホロ――と散って行く涙の一粒ごとに思いをはらんで居る様に感じて居た。まるで幼子の様にわけもわからない事に泣きじゃくって居た。泣きながら千世子の心は悲しみな....
胚胎」より 著者:宮本百合子
けらばならぬわしをこの上なく慰めて呉れるでの、そしてその時だけもその時の罪のない幼子の心持で居らるるのじゃ。 一番罪の深いのは「王」と名のついた者と昔からきま....
繊細な美の観賞と云う事について」より 著者:宮本百合子
を感じ思わされるのである。 私はこの美にふれた時に我からはなれた我の中に生き、幼子の様なすなおな気持になる事が出来るのだ。 誰に言葉をかけられても快く返事が....
樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
面に唾《つば》きをしようと思うばかりだとも言い、かかるともがらと大事を語るのは、幼子《おさなご》にむかって天を論ずるが如きものだ、思えば自分ながら我も敵を知らざ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
を、足音を忍ばせて、座席に着いた。 祥子と同い年でも、ずっと小柄な、いたいけな幼子が、白く濃く白粉を塗り、青く光るほど紅を塗って、人形のようなおかっぱで、重た....