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「幼心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

幼心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
おそろ》しい惨忍《ざんにん》な思着《おもいつき》が潜んでいるのではないかと、ふと幼心に感づいて、怯《おび》えた。父親の顔には悔恨と懊悩《おうのう》の色が現われて....
競馬」より 著者:織田作之助
が、貧しかった実家の破れ障子をふと想《おも》い出させるような沁々《しみじみ》した幼心のなつかしさだと、一代も一皮|剥《は》げば古い女だった。風采は上らぬといえ帝....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
の炭火を掘りおこしていた。戸外では霜の色が薄れて行き、……そんな母親の姿に豹一は幼心にもふと憐みを感じたが、お君は子供の年に似合わぬ同情や感傷など与り知らぬ母だ....
硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
めたあとで、今目前に見た不思議な明るさをそこに立ちながら考えたのである。 私の幼心に映ったこの姉の顔は、いまだに思い起そうとすれば、いつでも眼の前に浮ぶくらい....
少年時代」より 著者:幸田露伴
いといわないようになったそうです。それから其後また山本町に移ったが、其頃のことで幼心にもうすうす覚えがあるのは、中徒士町に居た時に祖父さんが御歿なりになったこと....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
送る玄関にわれから帽をとって阿爺の頭に載すほどの気はききたり。伸びん伸びんとする幼心は、たとえば春の若菜のごとし。よしやひとたび雪に降られしとて、ふみにじりだに....
薬草取」より 著者:泉鏡花
した。よくこの地で言う、あの、天狗に攫われたそれです。また実際そうかも知れんが、幼心で、自分じゃ一端親を思ったつもりで。 まだ両親ともあったんです。母親が大病....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
と輝かした時、あの緑の目を、ちょっと此方へ振動かした。 小狗の戯にも可懐んだ。幼心に返ったのである。 教授は、ほとびるがごとき笑顔になった。が、きりりと唇を....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
います、それに紅い手絡で、美しい髪なぞ結って、容づくっているから可い姉さんだ、と幼心に思ったのが、二つ違い、一つ上、亡くなったのが二つ上で、その奥さんは一ツ上の....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
て来たが盗棒はいなかった。するとお其はあたしに指さして、 「盗棒!」 と言った。幼心《おさなごころ》にはずかしさと、ほこらしさで、あたしもはにかみながら、 「盗....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
子供というものは、ふとした時にきいたことを生涯忘れぬものである。あんぽんたんの幼心にしみついたのは、前にも書いたかもしれないが、太胡《たこ》さんという、何か不....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ぬいて、角々《かどかど》での大盤振舞《おおばんぶるまい》なのだから(前章参照)、幼心には何がなんだかわからず、大きな鰻をさかせたり、お酒をのんだりしている父と、....
」より 著者:織田作之助
の炭火を掘りおこしていた。戸外では霜の色に夜が薄れて行き、そんな母親の姿に豹一は幼心にもふと憐みを感じたが、お君は子供の年に似合わぬ同情や感傷など与り知らぬ母だ....
」より 著者:織田作之助
鉢の炭火を掘りおこしていた。戸外では霜の色に夜が薄れて行き、そんな母の姿に豹一は幼心にも何か憐れみに似たものを感じたが、お君は子供の年に似合わぬ同情や感傷など与....
」より 著者:永井荷風
蛙の痛《いたま》しく噛み合っている有様《ありさま》を見て、善悪の判断さえつかない幼心《おさなごころ》に、早くも神の慈悲心を疑った……と読んで行く中《うち》に、私....