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幼稚
「幼稚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幼稚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
記憶をほとんど持ち合せていなかった。もし一度でもあったとすれば、それはまだ辰子の
幼稚園《ようちえん》へ通っていた時代のことだけだった。彼女はこう言う妹のキスに驚....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
せらるべく、あまりに大いなる芸術の作品であるからである。今日に至るまで、これらの
幼稚なる偶像破壊者《アイコノクラスト》の手を免がれて、記憶すべき日本の騎士時代を....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
どこまで行っても清冽《せいれつ》な浅瀬。
早教育。――ふむ、それも結構だ。まだ
幼稚園にいるうちに智慧の悲しみを知ることには責任を持つことにも当らないからね。
....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
も「初ちゃん」である。「初ちゃん」は芝の新銭座からわざわざ築地のサンマアズ夫人の
幼稚園か何かへ通っていた。が、土曜から日曜へかけては必ず僕の母の家へ――本所の芥....
「弓町より」より 著者:石川啄木
に私は何ももっていなかった。――そのころの詩というものは、誰も知るように、空想と
幼稚な音楽と、それから微弱な宗教的要素(ないしはそれに類した要素)のほかには、因....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
て、いずれもその愛人の帰途を迎えて、夜釣をしながら海上を戻る計画。 小児たち、
幼稚いのは、傅、乳母など、一群に、今日は別荘に残った次第。すでに前にも言ったよう....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
上げて見た。 私は一目見て驚かずにはいられなかった。少しの修練も経てはいないし
幼稚な技巧ではあったけれども、その中には不思議に力がこもっていてそれがすぐ私を襲....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
ばこの「水屋さん」も夢現の境に現われてくる幽霊の中の一人だった。 一七
幼稚園 僕は
幼稚園へ通いだした。
幼稚園は名高い回向院の隣の江東小学校の附属であ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
書いたものであるが、そのささやかなる経験からいっても、表現手段として散文がいかに
幼稚なものであるかを感じないではいられない。私の個性が表現せられるために、私は自....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
が、恐らく一般読者においても、この方面に関する吾人の観照が、野蛮な自然民の当初の
幼稚なまとまらない考え方から出発して現代の大規模な思想の殿堂に到達するまでに経由....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
に、探偵ものだと、これが全篇を動かすほど働くであろう。が、今のチンドン屋の極めて
幼稚なものに過ぎない。……しばらくあって、一つ「とうふイ、生揚、雁もどき」……売....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
、必ずしも同一程度であるを要しない。愛はいかなる距離をも結合する力がある。それは
幼稚不完全なる地上生活に於てすら然りである。二人の兄弟が、相互の間を幾千万里の海....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
戸時代は暗かった。 ◇ 花火について見るも、今日に較ぶればとても
幼稚なもので、今見るような華やかなものはなかった。何んの変哲も光彩もないただの火....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
を逸する一大原因をなせり。 戦史の研究に熱心なりしドイツ軍にして然り。人智の
幼稚なるを痛感せずんばあらず。 一 欧州戦争は欧州諸民族の決勝戦なり。「世界大戦....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
ことは前にも書いた通りである。しかし「伊達様」は残っているかも知れない。僕はまだ
幼稚園時代からこの「伊達様」の中にある和霊神社のお神楽を見物に行ったものである。....