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幼顔
「幼顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幼顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恋」より 著者:渡辺温
なにまで心にかけていながら、兄さんとしたことが、あなたの舞台姿を見て、親身の妹の
幼顔を思い出すことが出来なかったばかりでなく、――実に怪しからんことにも、あなた....
「新生」より 著者:島崎藤村
来て挨拶《あいさつ》した。
「節ちゃんか。どうも見違えるほど大きくなりましたね。
幼顔《おさながお》が僅《わず》かに残っているぐらいのもので――」と鈴木の兄に言わ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
もうすっかり東京日本橋本町辺のお店ものになりすましていることの、和助の方にはまだ
幼顔が残っていることのと、兄弟の子供のうわさが出た。今一枚の写真は、妻籠の扇屋得....
「金鳳釵記」より 著者:田中貢太郎
とすらできないでいた。興哥の好奇心はやがて興娘の方へ往った。おぼろげに覚えている
幼顔そのままの興娘の姿が微に思い出された。彼はまた悲しくなってきた。悲しみに捉え....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
本当にマアどうもねえ」 と云いながら孝助をつく/″\見て、 「見忘れはしませぬ
幼顔、お前の親御孝藏殿によく似ておいでだよ、そうして大層立派におなりだねえ、お前....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
そぞろ歩行して、立ちて、伺いしその暮方なりき。 ふとこの継母とわれは出逢いつ。
幼顔は覚え染みて忘れざりけむ、一目見るよりわれをば認めつ。呼懸けられたれば隠れも....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
年の美しさは何と云って形容したらいいでしょう。猶太の王女が恋したと云う、ヨハネの
幼顔よりも美しく、ラハエルよりも美しい。ギリシヤの彫刻の裸体美でも、少年の美には....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の乙女ざかりを知らぬゆえ、見違えるばかりだが、こうしておる間に、そぞろそなたが、
幼顔に返って見ゆる」 「兄上さま。おなつかしゅうぞんじまする」 「おお、よく訪ね....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
すぐ庭向うの離れへ駈けて行ったが、やがてまた縁の外から、 「いない」 と、その
幼顔を振っていた。 「……でも、じきにお帰りになりましょう」と、資朝の後家は、右....