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幽
「幽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
合《おにゆり》の花。飾り窓の板|硝子《ガラス》は少年の上半身を映しはじめる。何か
幽霊のようにぼんやりと。
15
飾り窓の板硝子越しに造....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
実際その男は、それだけのショックに価すべく、ぼんやりしたランプの光を浴びて、妙に
幽霊じみた姿を具えていた。が、彼は私と顔を合わすと、昔風に両肱《りょうひじ》を高....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
き返って、我々の眼にこそ見えないが、そこにもここにも歩いている。――そうしてその
幽霊《ゆうれい》が時々我々の耳へ口をつけて、そっと昔の話を囁いてくれる。――そん....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
月桂《げっけい》だの、西洋の植物が植えてあった。殊に咲き始めた薔薇の花は、木々を
幽《かす》かにする夕明《ゆうあか》りの中に、薄甘い匂《におい》を漂わせていた。そ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
僕はふと医者のチャックに珍しい話を聞きました。というのはあのトックの家《うち》に
幽霊の出るという話なのです。そのころにはもう雌《めす》の河童《かっぱ》はどこかほ....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
うして「沈黒江《こっこうにしずむ》明妃《みんぴ》青塚恨《せいちょうのうらみ》、耐
幽夢《ゆうむにたう》孤雁《こがん》漢宮秋《かんきゅうのあき》」とか何とか、題目正....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
を言った。それは或は何げなしに言った言葉かも知れなかった。が、僕の心もちには何か
幽《かす》かに触れるものだった。
「ちょっと紅茶でも飲んで行《ゆ》くかな。」
....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
出来ないことは事実である。
次ぎにもう一つ例を挙げれば、今人は誰も古人のように
幽霊の実在を信ずるものはない。しかし
幽霊を見たと云う話は未《いまだ》に時々伝えら....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
身の感ずる怖れには、始めから反抗のしようがない。彼は、発作が止んで、前よりも一層
幽鬱な心が重く頭を圧して来ると、時としてこの怖れが、稲妻のように、己《おのれ》を....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
なことも話にまじっていた。
「そら、Hさん、ありゃいつでしたかね、ながらみ取りの
幽霊《ゆうれい》が出るって言ったのは?」
「去年――いや、おととしの秋だ。」
「....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
たことがあると言っていたよ。もっともでたらめを言う人だったがね」 一四
幽霊 僕は小学校へはいっていたころ、どこの長唄の女師匠は亭主の怨霊にとりつかれ....
「佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
可なり。 四、佐藤の詩情は最も世に云う世紀末の詩情に近きが如し。繊婉にしてよく
幽渺たる趣を兼ぬ。「田園の憂欝」の如き、「お絹とその兄弟」の如き、皆然らざるはあ....
「墓」より 著者:秋田滋
墓番は用心に用心をして歩いてゆくと、まもなく、マランヴェール路の方角にあたって、
幽かな灯影が見えた。抜足差足、跫音を忍ばせて墓石と墓石のあいだを歩いて行き、彼は....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
怪なものを見たり、虚空に音楽や人声を聞くこともある。近隣一帯には伝説は豊富だし、
幽霊のでる場所も多いし、うす暗い時刻につきものの迷信もあまたある。流星がとぶのも....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
える声はなかった。けれども車大工には気のせいか、その辺の闇のなかで呻くような声が
幽かに聞えるようだった。彼はながい間じッと耳を澄して聞いていた。ある時は右の方に....