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幽居
「幽居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幽居の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
《なお》涙珠《るいじゅ》を弾ぜしむるに足るものだ。そればかりでは無い、政宗も底倉
幽居を命ぜられた折に、心配の最中でありながら千利休を師として茶事《さじ》を学んで....
「源氏物語」より 著者:紫式部
つけになり破らせなどして、また改めて始末をしにおかかりになったのであるが、須磨の
幽居時代に方々から送られた手紙などもあるうちに、紫の女王のだけは別に一束になって....
「三国志」より 著者:吉川英治
められた。 まだ若い廃帝は、明け暮れ泣いてばかりいる母の何太后と共に、永安宮の
幽居に深く閉じこめられたまま、春をむなしく、月にも花にも、ただ悲しみを誘わるるば....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
って出たまま、その日、屋形に姿を見せなかった。 従来も、あわよくばと、兄高氏の
幽居へ近づきかけたことは再々だった。が、どうしてもそこの警固はくぐれなかった。 ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
承久ノ乱で、この佐渡へ流され給うた順徳上皇の黒木ノ御所やら、日蓮上人が氷柱の内に
幽居した塚原ノ三|昧堂などへも、詣ってみた。 が、右馬介の柳斎が、さがしていた....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
この」 「奇しき御縁と申すしかございませぬ。先年、わが良人が鎌倉表へ曳かれて長い
幽居のうちに、ごねんごろなお宥りを給うたうえ、良人の形見までを、おあずかりおき下....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
よそながら御兄君(帝)の千里のさきをお見送りなされませ。そして以後はめったに、御
幽居や都の争乱の渦にもお近づきなされますな。――時来たれば、道誉がきッとよい機に....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
でもない。 朝の千鳥に目をさまされた瞼も晴れておいでだった。久しく陽に会わない
幽居なので龍顔の青白いのはぜひもない。髯も漆黒な若さをほこり、お唇は紅を塗ったよ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ひざまずいた尊氏を見つつ、破れ御簾をうしろに、自分も坐った。 「訪う人もないこの
幽居の御所へ、勝ちほこる側の将軍として、ようお訪ねくだされましたの。お話の模様は....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
重な用意をもってしたつもりである。ただあの中に出てくる阿部麻鳥――崇徳がここに御
幽居中の一夜、横笛をたずさえて来て、その幽愁をお慰めしたという一人物は――土地の....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
月のあいだに――市十郎はわれに返った。かれの素質は反省にかえる一面をもっていた。
幽居の日を、読書に没し、禅に参入し、若いいのちを、自らたたき醒ますにつれ、ひとり....