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「幽愁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

幽愁の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十六、七のころ」より 著者:永井荷風
の声を聞くころであった。されば始めて逢う他郷の暮春と初夏との風景は、病後の少年に幽愁の詩趣なるものを教えずにはいなかったわけである。 病院は町はずれの小高い岡....
すみだ川」より 著者:永井荷風
《ね》は思いがけない処で、妙な節《ふし》をつけて音調を低めるのが、言葉にいえない幽愁を催《もよお》させる。 長吉は今まで胸に蟠《わだかま》った伯父に対する不満....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
幽咽 泉流 水 灘を下る 水泉|冷渋 絃凝絶し 凝絶して通ぜず 声暫し歇む 別に幽愁 暗恨の生ずる有 此時声なきは 声あるに勝る 銀※乍ち破れて 水漿迸り 鉄騎....
三国志」より 著者:吉川英治
化しては、捨ておくわけには参らないではありませんか」 曹操は、一日、朝へ出て、幽愁そのものの裡に閉じ籠っておられる帝へ奏した。 そしてまた、自身の女を、強い....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
の中に出てくる阿部麻鳥――崇徳がここに御幽居中の一夜、横笛をたずさえて来て、その幽愁をお慰めしたという一人物は――土地の口碑や史伝では、僧の蓮誉ということになっ....