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幽明
「幽明〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幽明の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
なりとして、渠に死刑を宣告せり。 一生他人たるまじと契りたる村越欣弥は、ついに
幽明を隔てて、永《なが》く恩人と相見るべからざるを憂いて、宣告の夕べ寓居《ぐうき....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
はけだもののクマであるか、事実はいたずらなるなぞを残したままで、本人とともに遠く
幽明境を異にしたあの世へいってしまっているんですから、これはいかにむっつり右門が....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
き結婚をして長らえている。民子は僕の写真と僕の手紙とを胸を離さずに持って居よう。
幽明|遙《はる》けく隔つとも僕の心は一日も民子の上を去らぬ。....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
に、会わずにいるにもたえられない。惨として死のにおいが満ちた室にはいって、すでに
幽明隔たりある人に会うた。胸部のあたりには、生の名残りの温気がまだ消えないらしい....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
判が立つと間もなく死んで了うた。不信が信を殺したとも云える。また一方から云えば、
幽明、物心、死生、神人の間を隔つる神秘の一幕は、容易に掲げぬ所に生活の面白味も自....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
言う言葉つきがなんとなく冷たい。戸一枚を隔《へだ》てて話をしているようだが、実は
幽明を離れて応対しているような心持がしないではない。
「おい、宇津木、うまくやっ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、まだ、そのえたいはわからないのです。男だか女だか、それはもとよりわからないが、
幽明いずれの人だか分明ではないが、その中から起る短笛――つまり尺八です――の音だ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
じて治りかけた心の古疵を再び抉り出すような、随分惨たらしい仕打なのでございます。
幽明の交通を試みらるる人達は常にこの事を念頭に置いて戴きとう存じます。そんな訳で....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
目次 解説 第一章
幽明の交通とその目途 第二章 健全な生活 第三章
幽明間の交渉 第四章 各種の霊....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
なった。按吉は不安であった。今度は盲腸どころじゃない。念願の金がたまった瞬間に、
幽明境を異にして、魂魄だけが水ものまず歯ぎしりして巴里へ走って行きそうな暗い予感....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
これは表は善で、裏は悪なりという前提に捉《とら》われたるより起こる誤解であって、
幽明《ゆうめい》の区別を論ずる者が、幽《ゆう》とか暗《あん》とか称すれば、それだ....
「しゃもじ(杓子)」より 著者:佐藤垢石
きいた話であるとしてみれば、殿田用水の狸はよほど劫をへた古狸に違いない。 漢書
幽明録に、こんなことが記してある。漢の董仲舒が、ある日窓の幕を下ろし、なにか思索....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
姓名を挙げず)。夢想の研究については、参考すべき必要の事実なり。 ○霊魂は
幽明の間に通ずるものか 予は祖先相つぎ、世々農をもって業とするものなり。父母存....
「小山内薫先生劇場葬公文」より 著者:久保栄
然たる御声は、今なお朗々としてわれわれの耳朶を打ちます。しかもわれわれは永久に、
幽明境を距てた先生の温容に接することができません。 小山内先生 しかしわれわ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
実物ばかりある。
ここからなら、霊が鬼物と闘うことが出来るのだ。
ここからなら、
幽明合一の境界が立てられるのだ。
遠かった、あの女を、これより近づけようはない。....