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幽鬼
「幽鬼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幽鬼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
は、北側の壁にかけてある鏡の前に進み寄った。 「あ! ……」 彼は自分の顔を、
幽鬼と見まちがえた。そうであろう、顔色は青く、目は光を失い、頭髪は萱原《かやはら....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ルテイン第一号壱缶を寄贈される。血の損失に痛い私にはありがたい贈物なり。 ◯蒼鷺
幽鬼雄の第二作「血染の昇降機」を書き始める。 八月五日 ◯漸く暑気回復せんとす....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
よ――とばかりにのけ反りかえっている、紙谷伸子の姿体だったのである。それまでは、
幽鬼の不敵な暗躍につれて、おどろと跳ね狂う、無数の波頭を見るのみであって、事件の....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、非常になまぐさいような臭いがして寄り付かれません。大勢が杖をもって撃ち叩くと、
幽鬼のむせび泣くような声がして、したたる水はみな黒い血のしずくでした。大勢はさら....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
はないか! 黄金の杖を持っているのである。 美しい女の像ではあるが、全体に凄く
幽鬼的で、ゾッとするようなところがある。 彫像である! 動かない! がもしそれ....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
な頭髪は指先で激しぐかき※られて蓬のように乱れ、そのすさまじい形相は地獄に陥ちた
幽鬼のように見えた。 それにも拘らず怜悧なるヒルミ夫人は、夫万吉郎を傍に迎える....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
て先祖に顔が立とうか。否、東太にも会わせる顔がないではないか。千代の顔色は思わず
幽鬼の如くに蒼ざめて、ひきしまった。 天鬼はそれにチラと目をくれてニヤリとうち....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
又こんなことを言った。 「ゆうべも、いつもの官女が枕もとへ来ました。」 水中の
幽鬼の影が女のうしろに付き纏っているようにも思われて、気の弱い僕はまたぞっとした....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
います。……しかも片輪なのでございます!」 「浪江!」と、その時鋭い声が、いや、
幽鬼的の兇暴の声が、背後にあたって響き渡った。 同時に風を切る音がした。 「あ....
「鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
度々来て鴉片を喫む僕にとっては、悪臭と煙と人いきれと暗い火影と濁った空気と、
幽鬼じみて見える鴉片常用者と、不潔な寝台と淫蕩な枕と、青い焔を立てている、煙燈の....
「鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
の肩書だア。……この綱五郎の眼から見りゃア、一目瞭然、娘っ子に違えねえ!」 人か
幽鬼か 「ところで俺ら約束したっけなア、もう一度きっとお目にかかるって! さあお....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
、何んのために、中庭などへ作ったのであろう?) 急に彼は地へ寝た。 老
幽鬼出現 (こうここへ俺が気絶して仆れれば、あそこでの出来事を、再現したことにな....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
来た。 その人波に揉まれ揉まれて、澄江とお妻とが泳いで来た。 と、陰惨とした
幽鬼の声で、 「澄江殿オ――、お待ちなされ! ……汝お妻ア――遁そうや!」と叫ぶ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
化粧させて、地の上へ一列の家影を引いて、静まり返っているばかりである。この光景は
幽鬼的といえる。そういう
幽鬼的の光景を前にあたかも釘づけにでもされたかのように山....
「妖怪漫談」より 著者:岡本綺堂
なかったと見える。仙人を羨むなどという考えはなかったらしい。支那で最も多いのは、
幽鬼、寃鬼即ち人間の幽霊であるが、我国でも人間の幽霊話が最も多いようである。同じ....