幽魂[語句情報] » 幽魂

「幽魂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

幽魂の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
この世の人たちでなかったのは、その物言いぶりが何よりもよく語っていた。紛れもない幽魂そのものの声で、それを耳にすると、掘りかえされた墓土の黴臭い呼吸と、闇に生れ....
法衣」より 著者:田中貢太郎
仮に姿をあらわしたものであると云うことを知った。 しかし、それにしても壮い男の幽魂が法衣を借りに来たことが不思議でたまらないので、その日、その家へ見舞に往って....
源氏物語」より 著者:紫式部
も思わぬことが臨終の際にふと気がかりになったり、ふと恋しく心が残ったりすることで幽魂が浄土へは向かわず宙宇に迷うと言われている。そうであるから人間は何事にも執着....
お住の霊」より 著者:岡本綺堂
く、ましてその小児がお住の名を知って居ろう筈がない、シテ見れば正しくお住その者の幽魂が迷って出たに相違ない。数うれば当年は恰もその五十回忌に相当すると、隠居は懺....
河童小僧」より 著者:岡本綺堂
済んで了ったとは、何ぼう哀れなる物語。で、彼の怪しい人かげは、正しく此の水死者の幽魂が夜な夜な形を現わして、未来の救護を乞うたのであろうと云う噂で、これを思えば....
雪女」より 著者:岡本綺堂
込んで来て、若い娘を招き去るのである。招かれた娘のゆくえは判らない。彼女は姜氏の幽魂に導かれて、おなじ渾河の水底へ押し沈められてしまうのであると、土地の者は恐れ....
我が円朝研究」より 著者:正岡容
されたばかりの重信がのこりの絵を仕上げにかえってきているところいかにも芸道の士の幽魂らしく、さらにその落款の「朱肉も乾かず」というへんな生々とした実感さ。私はこ....
三国志」より 著者:吉川英治
い」 「――あの蓮花が、なんで美しかろう。わしの眼には、紅蓮も白蓮も、無数の民の幽魂に見えてならない。一花、一花|呪い、恨み、哭き戦きふるえているような」 「こ....
銀河まつり」より 著者:吉川英治
いや! 彼はもっと慄然とする想像にたどりついた。自分が墓をあばいたお千代後家の幽魂というものを。 あの淫蕩な後家によく似ている笑いかただ。死ぬ半月前まで、幾....