幾人[語句情報] » 幾人

「幾人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

幾人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
武の両道に秀《ひい》でている点では、家中《かちゅう》の侍で、彼の右に出るものは、幾人もない。そう云う関係上、彼はこれまで、始終修理に対して、意見番の役を勤めてい....
或る女」より 著者:有島武郎
この少壮従軍記者は始めて葉子を見たのだった。 葉子はその時十九だったが、すでに幾人もの男に恋をし向けられて、その囲みを手ぎわよく繰りぬけながら、自分の若い心を....
或る女」より 著者:有島武郎
た。双鶴館《そうかくかん》の女将《おかみ》はその女と懇意の間だったが、女に子供が幾人かできて少し手ぜま過ぎるので他所《よそ》に移転しようかといっていたのを聞き知....
星座」より 著者:有島武郎
の梶という男じゃないかと思う。それならその男は評判な高利貸でしかも妾《めかけ》を幾人も自分の家の中に置いているという男だ。どんなことがあってもいうことを聴いては....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
わけには行くまいか。――差し出たことだが、一|尾か二|尾で足りるものなら、お客は幾人だか、今夜の入用だけは私がその原料を買ってもいいから。」女中の返事が、「いえ....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
白糸 それから、あの、ちょっと伺いとう存じますが、欣弥さんは、唯今、御家内はお幾人。 七左 二人じゃが、の。 白糸 お二人……お女中と…… 七左 はッはッはッ....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
れあれと追う間に、番太郎へ飛込んだ。 市の町々から、やがて、木蓮が散るように、幾人となく女が舞込む。 ――夜、その小屋を見ると、おなじような姿が、白い陽炎の....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、気|昂り、意熱して、麦のごとく燃え、雲雀のごとく翔った、青雲社の同人は他にまた幾人か、すべておなじ装をしたのであった。 ただしこれは如実の描写に過ぎない。こ....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
出ますわ。 どうぞして、上の石を退けて出してあげようとおしだけれど、大きな男が幾人もかかって据えたものを、どうして小銀の手に合うものかね。そちこちするうち日が....
星女郎」より 著者:泉鏡花
ただけ、一度|擦違ったものでも直ぐに我を恋うると極めていたので――胸に描いたのは幾人だか分らなかった。 罪の報か。男どもが、貴婦人の胸の中で掴み合いをはじめた....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れる子供の数はどれ位でございましょうか?』 答『それは判らぬ。通例よほど沢山で、幾人と勘定はしかねるのじゃ。』 問『年齢を取れば矢張り子供を生まぬようになるもの....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
心の悪化、労資の軋轢、世界現状の行詰等を歎息するものは世間に多いが、それ等の中の幾人かが、かかる世相の由って来る所を、奥深く洞察して世界平和の大計を講ずる資格が....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、立派な白鳥達がみんな寄って、めいめいの嘴でその頸を撫でているではありませんか。幾人かの子供がお庭に入って来ました。そして水にパンやお菓子を投げ入れました。 「....
久米正雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
何にも鮮明に如何にも清新に描けています。この点だけ切り離して云えば、現在の文壇で幾人も久米の右へ出るものはないでしょう。 勿論田舎者らしい所にも、善い点がない....
式部小路」より 著者:泉鏡花
声は、附添が賺しても、重い頭を掉るんでしょう。 すたすたと廊下を駆ける音。 (幾人ついているの、) (三人です。) (親たち?) (いえ、こっちの看護婦と、向....