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「幾代〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

幾代の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東京だより」より 著者:太宰治
血だ、と私はもっともらしく断定を下して、落ちつく事にしました。その父か母に昔から幾代か続いた高貴の血があって、それゆえ、この人の何の特徴もない姿からでもこんな不....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
ど昔の人間は美しい撩乱をこの魚に望んでいることが、復一に考えられた。世は移り人は幾代も変っている。しかし、金魚は、この喰べられもしない観賞魚は、幾分の変遷を、た....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
|※企の家では螻蛄を祭ることになっている。 何ゆえにそんな虫を祭るかというに、幾代か前の先祖が何かの連坐で獄屋につながれた。身におぼえの無い罪ではあるが、拷問....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
はと山緑も深き榊葉をさしてぞ祈る君が代のため 君を祈る賀茂の社のゆふたすきかけて幾代か我も仕へん うきものを寝覚の床の曙に涙ほしあへぬ鳥の声かな これらの和歌....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
アる程左様……これは先祖が斯様な事を書遺しておいたので、私の祖父より親父も守り、幾代となく守り来っていて、中指を切られた者が既に幾人有ったか知れん、誠に何とも、....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
うものは汚いものを取り捨て、定規で予定通りに新しく造り上げた処にあるものでなく、幾代幾代もの人間の心と力と必要とが重なり重って、古きものの上に新しきものが積み....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れ、お顔もお気性も、何所やら共通の所があるのでございますが、しかし引きつづいて、幾代かに亘りて御分霊を出して居られる中には、御性質の相違が次第次第に強まって行き....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
しむるところであるから、如何ともする事はできない。 言うまでもなくバイブルは、幾代かに亘りて受取られたる啓示の集録である。かるが故に神につきての観念は、人智の....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
る。屋形のうしろに断崖がある。八重垣落しである。 八重垣というのはこの竜造寺家幾代目かの寵姫である。戦乱の収まって以来、戦勝者が本藩を建て、竜造寺家はその支藩....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
どうぞここから逃げられるようにお取り計らいくださいまし。ここに手箱がございます。幾代前からか知りませんが私の家に伝わった鉄の手箱でございまして中には解らない昔の....
月の夜がたり」より 著者:岡本綺堂
呼ぶことになったらしい。以前の持主の本多は先祖代々この屋敷に住んでいたのだから、幾代か前の主人の代に、こういう事件があったものと思われる。鳥居の柱に、安政三年再....
地上」より 著者:島田清次郎
る――こう彼が宣言してから、大川村は一切の権威を北野家に与えねばならなくなった。幾代の間北野家は大川村の宗家であることを村人の頭脳に浸み入らせるためにお光の祖先....
雪柳」より 著者:泉鏡花
人の、あの縹緻に憚る……麻地野、鹿の子は独り合点か、しぐれといえば、五月頃。さて幾代餅はどこにあろう。卯の花の礼心には、砧まき、紅梅餅、と思っただけで、広小路へ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
平生日光を見ない穴の中に隠れ棲んでいて、暗い夜になると窃かに出て歩く。その習慣が幾代も続いて来たので、眼の働きが甚だ弱いものになって了って、火のような強い光線に....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
人にとっては、世界の瓦解の響きに似ていたのである。 こうした転変の世にあって、幾代の祖先この方、不文の律と見なされたところの、家柄相応の地位を宮廷において占め....