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幾星霜
「幾星霜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幾星霜の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
一 昔はお武家が大小を帯《さ》してお歩きなすったものですが、廃刀以来
幾星霜を経たる今日に至って、お虫干の時か何かに、刀箪笥から長い刀《やつ》を取出《....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
られたという伝説以外、誰もこの、ヘクザ館の由来を知っているものはない。 爾来、
幾星霜、風雨にうたれたヘクザ館は、古色蒼然として、荒れ果ててはいるが、幸いにして....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
主義時代の詩人として出発したこの作家が、自然主義の時代に小説の道にうつり、以来、
幾星霜、社会生活と思想の波濤を凌いでここに到達した人生態度と文学的様式の、よかれ....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
ねん》、父母《ちちはは》も其跡を追うて此墓の下《した》に埋《うず》まってから既に
幾星霜を経ている。墓石《ぼせき》は戒名も読め難《かね》る程苔蒸して、黙然として何....
「金色の口」より 著者:宮本百合子
それは一ツの銃口であった。生きながら姿で埋められた一人の兵卒の銃口が叢が茂った
幾星霜の今日もなお現れていて、それを眺めた人々は思わずも惻隠の情をうごかされ、恐....
「女靴の跡」より 著者:宮本百合子
と疾走した。たった一本広いドライヴ・ウェイが貫いている左右の眺めは、大戦が終って
幾星霜を経て猶そのままな傷だらけの地べたである。一本の立木さえ生きのこっているこ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
物であることを自証《じしょう》するものだ。
こういう腹だったのが、爾後《じご》
幾星霜、関七流の末に人多しといえども、いまだ孫六のやすりに手が届いて別書を発見し....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
それを見込んだのが周作で、懇々身上を戒めた上己が塾へ入れることにした。爾来|研磨
幾星霜、千葉道場の四天王たる、庄司弁吉、海保半平、井上八郎、塚田幸平、これらの儕....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
易に接近出来なかった。それでも私は根気よく彼の身辺を窺った。こうして星移り物変り
幾星霜が飛び去って行った。果然|王※を滅ぼした劉秀がこの世へ現われたかのように、....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
人はだまって想像にふけった。木ぎれは蘚苔にくさって、鉄環は赤くさびている、風雨|
幾星霜、この舟に乗った人は、いまいずこにあるか、かれはどんな生活をして、どんなお....
「正宗谷崎両氏の批評に答う」より 著者:永井荷風
後日わたくしをして柳浪《りゅうろう》先生の門に遊ばしめた原因である。しかしその後
幾星霜を経て、大正六、七年の頃、わたくしは明治時代の小説を批評しようと思って硯友....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
おぬしの心にある」 と、諭した。 そして沢庵は去ったのである。 以来、もう
幾星霜か。 寒くなれば冬が来たと思い、暖かくなれば春かと思うだけで、武蔵は、ま....