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幾程
「幾程〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幾程の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
募り、果は作法をも打忘れて熱心に目科の行いを見張るに至れり。 見張り初めてより
幾程も無く余は目科の振舞に最と怪しく且恐ろしげなる事あるを見て何うせ碌な人には非....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
う。生残た妻子の愁傷は実に比喩《たとえ》を取るに言葉もなくばかり、「嗟矣《ああ》
幾程《いくら》歎いても仕方がない」トいう口の下からツイ袖《そで》に置くは泪《なみ....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
そこで都新聞と大菩薩峠との交渉は一切清算されてしまったのである。 さてそれから
幾程を経て、東京日日と大阪毎日新聞との交渉になるのである。....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
地は却って草臥るというのは何ういうものだろう、これ/\女中、これから大宮宿までは
幾程あるな」 女「これから一里四町ありやんすが、ハア日は暮れてお困りでがんしょう....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
した。「好い拾得物をなされた」と、人が羨んだといいます。やがて娘に娶せましたが、
幾程もなく順吉は藩を脱してしまいました。養父の失望、娘の悲歎はいうまでもありませ....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
霰が降り間もなく雪がちらついてきた。動かずにいると手足がかじかむ程寒い。幸に雪は
幾程もなく霽れた。 水のない谷はいつの間にか山ひらに変っていた。下生えがないの....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
が、わたくしは停留場のある処をよく知らないので、それを求めながら歩きつづけると、
幾程もなく行先に橋の燈火のきらめくのを見た。 * ....
「赤い土の壺」より 著者:田中貢太郎
ら濃州の守護となつて、悪人ながら威勢ありしに、ためしすくなき大罪人のむくいにや、
幾程なく永禄四年に義竜たちまち悪病を煩ひ、死去しけり」と、云ってある。....
「山の人生」より 著者:柳田国男
や思ひけん、其儘里へ馳せ還りて、友あまたかたらひ来て其女を殺してけり。さて其男は
幾程も無く病み煩ふことありて死にけりとか。こは近頃の事なりとて、男の名も聞きしか....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
北に発源するもので、信州の人達がタルガ沢と呼んでいる程あって瀑が多い。上り始めて
幾程もなく谷が迫って来たなと思うと、高くはないが続けさまに三つの瀑が現れた。側壁....