広大無辺[語句情報] » 広大無辺

「広大無辺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

広大無辺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
しら》の上に、日を蔽う如くさしかざすと、 「天上皇帝の御威徳は、この大空のように広大無辺じゃ。何と信を起されたか。」と、厳《おごそ》かにこう申しました。 鍛冶....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ょっぴり、この辺できってやったら、よし江戸と名古屋と東西百里の隔たりはあっても、広大無辺なその名声に、少しはびっくりするだろうと思われましたが、しかし、こういう....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の手段。萎えしぼんだ草樹も、その恵に依って、蘇生るのでありますが、しかしそれは、広大無辺な自然の力でなくっては出来ない事で、人間｜業じゃ、なかなか焼石へ如露で振....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
せん。没頭――それが生命の全部であり、遺産や情愛や肉身などという瑣事は、あの方の広大無辺な、知的意識の世界にとれば、わずかな塵にしかすぎないのでございます。そこ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
、苔が一面に生えている。 寂然として人気なく、人家もなければ鶏犬もいない。――広大無辺の死の国である。 しかし冷静に云う時は、一個巨大な洞窟に過ぎない。すな....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
ら、また一箇の鶏卵をぬきだして、その掌のうえにのせてやった。 「おお、神の力は、広大無辺である」 「あれ、いやだねえ。とうとうわしは卵を生むようになったか」 ....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
それは遠くの森に反響し、近くの野面をわたり、べきべきたる落雲を破って、天と地との広大無辺な間隙を一ぱいにふるわす、チビ公はだまってそれを聞いていると、体内の血が....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
当てて、それを渾身の力で押し込んだのだ。しかし胎龍は、焔々たる地獄の業火と菩薩の広大無辺な法力を、ホンの一瞬感じただけで、その儘微動もせず無痛無自覚のうちに死ん....
「母の上京」より 著者:坂口安吾
尽にはね飛ばされたり、土の中へめりこまされたり、たつた一日の稽古でつくづく天下の広大無辺なることを悟つたものだ。居ること正味二日となにがしの時間で、機を見はから....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
て来るのだよ。本当に儂はもう一生あんな馬鹿げた所へは帰りたくなくなった。……この広大無辺の大自然の中に溶け込んでいると、何だかもう、このまま儂はいつ死んでもいい....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
、この問いに対しては、吾々は殆ど確答し得ない、のみならず微々たる太陽系の死骸は、広大無辺の宇宙に介在して、ただ何らの目的もなく、右に往きあるいは左に往きする時、....
「赤げっと　支那あちこち」より 著者:国枝史郎
けは、此方の味方となるのではあるまいか。 翌日の午前に揚子江口へ船が這入った。広大無辺の大河揚子江は僕等の船を呑んでもその両岸を我等に示さなかった。ただ水の色....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
心せしめている。廷無河のほとり、光もぼんやりとした月、それがたちまち清らかに輝き広大無辺の世界をてらすのである。〈君の画業もまた、やがてはこの月の光のごとく輝く....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
意識的なこの不平があり、現制度に対する不信用があって、それで初めて本当の革命家が広大無辺の勤め、すなわち幾世紀かの存在によって神聖なものとされて来た諸制度を数年....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ているはずとは知っても、さて、その育て方の方針がつかないのであります。 天地の広大無辺な存在は、私たちをもその中に引くるめた、一つの大きな生命体であります。こ....