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「床下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

床下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
い。また昨日《きのう》までに集めた金は、あなた方御夫婦も知らない内に、この茶室の床下《ゆかした》へ隠して置きました。大方《おおかた》今夜の盗人のやつも、その金を....
高野聖」より 著者:泉鏡花
ちょうどこの上口《のぼりぐち》の辺に美濃《みの》の蓮大寺《れんだいじ》の本堂の床下《ゆかした》まで吹抜《ふきぬ》けの風穴《かざあな》があるということを年経《と....
朱日記」より 著者:泉鏡花
この日の大火は、物見の松と差向う、市の高台の野にあった、本願寺末寺の巨刹の本堂床下から炎を上げた怪し火で、ただ三時が間に市の約全部を焼払った。 烟は風よりも....
深夜の市長」より 著者:海野十三
めるようにして、顔を曲げた。分りきったことを聞くものかなという風に……。 「……床下を潜って、お勝手の板の間を開けて入ったのさ。お隣りは空き家で、窓の締りが一つ....
白蛇の死」より 著者:海野十三
く説明した。然し主任がその位の説明で満足する筈はなく、当分夜の間刑事を吉蔵の店の床下に張り込ませて、何処までも事件の端緒を掴むようにと手配した。 一方山名国太....
地中魔」より 著者:海野十三
それとも何者? 三吉は、いよいよ地図と夢中に首っぴきである。しかし彼の足は、床下から出た二つの踏み釦の上に軽く載っている。それは果して故意か偶然か。いや、何....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
の大きい丸盆の大きさ。二階から屋根をぬいて階下におち、あるいは平屋の屋根を通って床下にまで落ちる力があるという。 ◯火がピラピラ見えているうちに、実弾の方はすで....
地球盗難」より 著者:海野十三
レビジョンの入った函卓子が、だんだんと低くなってゆくのであった。なんだか卓子が、床下に沈下してゆく様子だった。なぜそんなことが始まったんだろう。 だがそれは大....
火星兵団」より 著者:海野十三
――しばらくして、また、ごとん。 「ああ聞えた。あれは一体何の音だろうか。うむ、床下から聞えて来るようだ」 先生は、足音をしのばせて、立ちあがった。どこかに、....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
と錠をおろし、更に鉄のゲートルの穴に、二本の重い鉄の鎖を通した。その鎖のはしは、床下に、しっかりと埋っている。まるで重罪人あつかいだ。 「おい、できたか。どうも....
空襲警報」より 著者:海野十三
重に眼張をした。それができると、その上に新聞紙を五枚ずつおいて畳を敷いた。これで床下からくる瓦斯は防げる。 「こんどは窓框と窓の戸との隙間と、それから壁の襖の隙....
南地心中」より 著者:泉鏡花
たようやないか。 けどな、多一さん、貴下な、九太夫やったり、そのな、額の疵で、床下から出やはった処は仁木どすせ。沢山忠義な家来ではどちらやかてなさそうな。」 ....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
おあんなさいましたで、靴にござりますな。 さあ、居合せましたもの総立になって、床下まで覗きましたが、どれも札をつけて預りました穿物ばかり、それらしいのもござり....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ぐるみ人間を遠方へ連れて行くことはめったにござらぬ。肉体は通例附近の森蔭や神社の床下などに隠し置き、ただ引き抽いた魂のみを遠方に連れ出すものでござる。人間という....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
井戸に、白梅のちりかかる風情で、すんなりした、その肩も腰も靡かせる。 「ははあ、床下の鉄管で引いたんだね。」 もくもくもくと湧出す水で、真赤な血を洗いながら、....