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床屋
「床屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
床屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
。彼の妹の縁づいた先は存外《ぞんがい》見つけるのに暇《ひま》どらなかった。それは
床屋《とこや》の裏になった棟割《むねわ》り長屋《ながや》の一軒だった。主人は近所....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
子をかぶっているかと言うのと大差のない知識ばかりである。
又
所謂「
床屋政治家」とはこう言う知識のない政治家である。若《も》し夫《そ》れ識見を論ずれ....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
に一寸したつまらないものでもいいのですが、例えば、会社、学校が毎日曜日に休むとか
床屋、銭湯が何曜日に休業するとか、或は又何かの市が毎週何曜日に立つとか、どんな事....
「春昼」より 著者:泉鏡花
増し目が窪んで、顔の色がいよいよ悪い。 或時、大奮発じゃ、と言うて、停車場前の
床屋へ、顔を剃りに行かれました。その時だったと申す事で。 頭を洗うし、久しぶり....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
に溢れかかった小便桶が並んであるなど、乱暴なものだ。また並び床といって、三十軒も
床屋があって、鬢盥を控えてやっているのは、江戸絵にある通りです。この辺の、のでん....
「空襲警報」より 著者:海野十三
「オウ、分団長はいますかァ……」 と、自転車で駈けつけてきたのは、警報班長の髪
床屋の清さんだった。 「分団長は、ここだここだ。清さん清さん」 声を聞きつけて....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
行って、剃刀を借りて来たまえ。」 宗吉は、お千さんの、湯にだけは密と行っても、
床屋へは行けもせず、呼ぶのも慎むべき境遇を頷きながら、お妾に剃刀を借りて戻る。…....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ようと、最近人に教えられ、いくらか馴染になった、有楽町辺の大石造館十三階、地階の
床屋へ行くと、お帽子お外套というも極りの悪い代ものが釦で棚へ入って、「お目金、」....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
七郎とともに町に出た時は、橋の上で弁慶に出会い、豆府屋から出る緋縅の武者を見た。
床屋の店に立掛ったのは五人男の随一人、だてにさした尺八に、雁がねと札を着けた。犬....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
のを見ては、「おいどうしたね?」などと声をかけた。が、彼は無言のまま、雑貨屋だの
床屋だの、明るい家の前を走り過ぎた。 彼の家の門口へ駈けこんだ時、良平はとうと....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
、彼はもはや消えていたのである。が、あとで捕まった。男爵閣下は茨城北部のある町の
床屋さんであった。道理で汚ない風姿はしていても、いつも髪だけはきれいに撫でつけて....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
って、お茶を啜りながら、腰をおちつけて世間話に花を咲かせたものである。 江戸の
床屋が町人のクラブであったように、京の葉茶屋はお茶人のクラブであったといえるので....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
において、その香水において、椅子において、ばりかんにおいて、最も文明の代表者たる
床屋の中に、この床ッ附ばかりはその汚さといったらないから、振の客は一人も入らぬの....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
、 「ああい、」といって、上框の障子を閉め、直ぐその足で台所へ、 「誰? おや、
床屋さん、」 「へへへへへ、どうも晩くなりまして済みません、親方がそう申しました....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
というのよ。」 「皆かい、」 「ああ、」 「いよいよ悪かろう。」 「だってお前、
床屋が居続けをしていると思や、不思議はあるめえ。」 五助は苦笑をして、 「洒落....