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床店
「床店〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
床店の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いていたのであるが、その後に取り払われて町屋《まちや》となった。しかもその多くは
床店《とこみせ》のようなもので、それらは日が暮れると店をしまって帰るので、あとは....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
谷へ出て行った。御成道の横町で古道具屋をたずねると、がらくたばかり列《なら》べた
床店《とこみせ》同様の狭い家で、店の正面に煤《すす》けた帝釈《たいしゃく》様の大....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ない。 それにしてもその玉太郎という子供をどこへ隠したか。裏店住居の次郎吉や、
床店《とこみせ》同様の白雲堂が、自分の家に隠しておくことはむずかしい。彼等のほか....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
おでんやだの、安直なレストランなどで食事を取ったりした。若いもの同志二人、共同で
床店を出しているおでんやの一人は、昼間はある私立大学の文科へ通っている、町の文学....
「春昼」より 著者:泉鏡花
は荒物屋が多いでございます、紙、煙草、蚊遣香、勝手道具、何んでも屋と言った店で。
床店の筋向うが、やはりその荒物店であります処、戸外へは水を打って、軒の提灯にはま....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
吉原返りに緒をしめた雪の烏帽子ほどに被さる。冷い香水がざっと流れる。どこか場末の
床店が、指の尖で、密とクリームを扱いて掌で広げて息で伸ばして、ちょんぼりと髯剃あ....
「雁」より 著者:森鴎外
子で、母親がなくて、親爺と二人暮らしでいると云う事、その親爺は秋葉の原に飴細工の
床店を出していると云う事などを知った。そのうちにこの裏店に革命的変動が起った。例....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
は荷物の山で重なっているのですが、それが焼け焼けして雷門へ切迫する。荷物は雷門の
床店の屋根と同じ高さになって累々としている所へ、煽りに煽る火の手は雷門を渦の中へ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
が附けられてある。 雷門から仁王門までの、今日の仲店の通りは、その頃は極粗末な
床店でした。屋根が揚げ卸しの出来るようになっており、縁と、脚がくるりになって揚げ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
いたうれしさに勇気も百倍し、それから人波を押し割って元の道に引ッ返し、大神宮際の
床店の所まで父は私の楯となって引き退いたのでありました。 其所で、父は、とある....
「モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
見せよう。」 モルガンは花の市のように、種々《いろいろ》な花があって、花売りの
床店《とこみせ》が一町もつづいている、足高路《あしだかみち》の方へお雪を伴った。....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ゃあ――。」 「うん。」 あとはまた眠気を催《もよお》す沈黙《しじま》が、狭い
床店の土間をのどかに込めて、本多隠岐守《ほんだおきのかみ》殿《どの》の黒板塀に沿....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
自前で遣ろうというんで方々捜したそうですがね。 当節は不景気ですから、いくらも
床店の売もの、貸家はあるにゃありますが、値が張ったり、床屋に貸しておくほどの差配....
「一日一筆」より 著者:岡本綺堂
っている――にめざましと呼ぶ小さい汁粉屋があって、またその隣に間口二|間ぐらいの
床店同様の古本店があった。その店頭の雑書の中に積まれていたのは、例のヘボン先生の....