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底が知れない
「底が知れない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
底が知れないの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
とへえつく張って席に戻《もど》った。うらなり君はどこまで人が好いんだか、ほとんど
底が知れない。自分がこんなに馬鹿にされている校長や、教頭に恭《うやうや》しくお礼....
「狂人は笑う」より 著者:夢野久作
いうんですから、支那人の享楽気分というものが、ドレ位徹底しているものだか、殆んど
底が知れないでしょう。 彼等はそれから嶮岨な山道を越えたり、追剥や猛獣の住む荒....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
になった時は大人の三人前の力をやすやすと出します。十八になった今日では与八の力は
底が知れないといわれている。荷車が道路へメリ込んだ時、筏《いかだ》が岩と岩との間....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
あり。(芸妓二名の死傷は訛伝也)……」 プッ……馬鹿な。朝鮮官吏の低能と来たら
底が知れない。コンナ事でお茶が濁せたらお慰みだ。警察の発表なら誰でも信用すると思....
「厨房日記」より 著者:横光利一
いうのが、今じゃ現実そのものになって来たんだから、思想もどこまでこ奴、悪戯けるか
底が知れないよ。現実を全くひやかしてるようなもんだからね。そこをユダヤ人がまた食....
「火星兵団」より 著者:海野十三
先生は目を円くした。
一体、どこまで蟻田博士はえらいのだか、そのえらさ加減は、
底が知れない。知らない者から見れば、博士はまるで魔術師のように見える。しかし博士....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は先生で、自身は手を下さないが、あの先生が手を下す日になったら、どのくらい強いか
底が知れない。小諸や、上田の藩中に、手に立つ者が一人でもあるものか――なんぞとい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
こそは江戸で名代の先生であって、酒を飲んでふざけてこそいるが、字学の出来ることは
底が知れない。こういう先生を後楯《うしろだて》に控えて行けば、ドコへ行こうと鬼に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ん。そのばかばかしい人殺しを甘んじてやって来た、自分というものの馬鹿さかげんこそ
底が知れない。ああ、どうして我ながらここまで本心を失うたものかと、それを思い来っ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
はりわたしをあほうだと思いこんでしまう。 芝居がまたいかにもわたしのあほうさの
底が知れないようにできていた。することなすことにさるはかしこかった。 いろいろ....
「曽我の暴れん坊」より 著者:坂口安吾
で箱根山中でたらふく肉を食い大いに鍛錬して育つことができた。ついに身長六尺、力の
底が知れないという怪童ができあがった。谷底へ大石を突き落す、大木をひッこぬく、強....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
かれにとって、まだ扱いいいが、いやにねッとりした旅川周馬、白いのか黒いのか、腹の
底が知れないので、しばらく閾をふみかねていた。 「ご遠慮はない、ここは周馬の居間....
「三国志」より 著者:吉川英治
ら、先生と敬って、決して書生扱いにはしなかったと聞いています。深才遠計、ちょっと
底が知れない男です」 「それほどな才略を、なぜ今日まで呉は用いずにきたのであろう....