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底止
「底止〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
底止の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
大なる利益です。僕の前途には確かに光明が見え出して来ました。
あなたに書く事は
底止《ていし》なく書く事です。しかしあすの奮闘的生活(これは大統領ルーズベルトの....
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
うしょう》、百方工夫して基本金を積み存立を得たるも、また値上げ、また値上げとなり
底止《ていし》するところを知らず。造営までなかなか手が届かぬを定規《ていき》に背....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
―この快楽は道義を犠牲にして始めて享受《きょうじゅ》し得るが故に――喜劇の進歩は
底止《ていし》するところを知らずして、道義の観念は日を追うて下《くだ》る。 道....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
なだ》め賺《すか》しますと、奥様の御声はその同情《おもいやり》で猶々《なおなお》
底止《とめど》がないようでした。私はもう掻毟《かきむし》られるような悶心地《もだ....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
感に打たれたが、数多い書類を読み進むほど、事件は益々奥深くなり、神秘性を増して、
底止する所を知らないのだ。 談話速記には尽く仮名が使ってあるが、それが二川子爵....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
思い当ったせいでもあるんだがね」 こうして縷述して来ると彼の法螺の底力は殆んど
底止するところを知らない。 「自ら王将を以て任ずる奴は天下に掃き棄てる程居る。金....
「家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
いますか。これも大問題ではありませんか。こん風に考えて行けば、問題は問題を生んで
底止する所を知らないのです。お尋になるから、こんな事も言います。自分の出すものに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
場のなりゆきも、手を束《つか》ねて見ているよりほかはありますまい。 右の如く、
底止《ていし》することなき、突発の椿事が椿事をうみ、天井から先に火がついて、室内....
「雁」より 著者:森鴎外
もじするに違いない。己が始て行った晩には、どうするだろう」空想は縦横に馳騁して、
底止する所を知らない。かれこれするうち、想像が切れ切れになって、白い肌がちらつく....
「経世の学、また講究すべし」より 著者:福沢諭吉
北部の人が葡萄酒に酔い、菓子屋の丁稚《でっち》が甘《かん》に耽《ふけ》るが如く、
底止《ていし》するところを知らざるにいたるべし。人を順良にせんとするの方便は、た....
「老狸伝」より 著者:佐藤垢石
さまであったという。 だが利根の激流は年々歳々、勢いを増してきて、城壁は崩れて
底止するところを知らない。ついに、三の丸も危なくなった。 そこで、朝矩は在城僅....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
乗ぜんとす。その危機実に一髪と謂わざるべからず。若し幕府にして戦端を開かば、その
底止するところ何の辺に在るべき。これ勝伯が一|身を以て万死の途に馳駆し、その危局....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
となり、吹雪となり、波濤となり、無数に白く、また、黒く紫に、また白く白く擾乱して
底止するところを知らないのだ。 汽笛が吼える。巨大なあらゆる通風筒の耳、 噴....