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「底気味悪い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

底気味悪いの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
いな気組でしたから、墨を流した空に柳が聳えて、その下に竹格子の窓が灯をともした、底気味悪い家の容子《ようす》にも頓着せず、いきなり格子戸をがらりとやると、狭い土....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
うが、機械人間が物言うように発声の構造が云っているのだ。でなければ何とも知れない底気味悪い遠方のものが云っているのだ。そうとしか取れない。多少のいやらしさ、腥さ....
後庭」より 著者:宮本百合子
帯びて、くっきりと暗い陰を作って居る葉かげ等には、どうしても手を突き込めない様な底気味悪い冷やかさがただよって居る。 庭の真中に突立って自信のあるらしい様子を....
立札」より 著者:豊島与志雄
寒夜野天の下で始まりました。苦力たちがみな、腕に小さな青布をつけているのが、何か底気味悪い感じを匪賊たちに与えたようでもありました。彼等はいわるるままに導かれて....
歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
やら消え失せてしまうと、あれほど人の行き来に賑わってた浅草も、たちまち木の下闇の底気味悪いばかりに陰を濃くして、襟を吹く秋風のみが、いたずらに冷々と肌を撫でて行....
その人を知らず」より 著者:三好十郎
をしめられた友吉の顔が次第に土気色になって、眼が釣りあがって来る。……その間も、底気味悪いサイレンは断続してひびいてくる) 5 夜の会堂。 ....
上海」より 著者:横光利一
怪な風を吸い込んだように次から次へと黙っていった。すると、全く音響のはたと停った底気味悪い瞬間、その一帯の沈黙の底からどことも知れず流れる支那人の靴音だけが、か....
機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
いたしません。こんな女の申す事など本気で聞いても居りませんが、それでいて何となく底気味悪い不吉な予感に襲われるのでございます。 手紙を読み終るのを待ってS夫人....