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店口
「店口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
店口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
やらない、羽根も買ってやらないと、掛橋はきびしくおどしつけて出て行った。出ると、
店口で立花屋の女中に逢った。彼女は待ちかねて二度の迎いに来たのであった。 二人....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
五 「さあ、お上《あが》り遊ばして、まあ、どうして貴下《あなた》。」 とまた
店口《みせぐち》へ取って返して、女房は立迎《たちむか》える。 「じゃ、御免なさい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、遠い辻番の蝋燭の灯が薄紅くにじみ出していた。藤屋という酒屋を探しあてて、表から
店口を覗いてみると、小皿の山椒《さんしょ》をつまみながら桝酒を旨そうに引っかけて....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と、足袋屋の亭主は云った。ほかの人たちの意見も大抵それに一致していた。 半七は
店口に腰をかけてしばらく待っていたが、お留はなかなか帰って来なかった。この間に半....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
傘をさして暗い雨のなかを出て行った。出たかと思うと、やがて又引っ返して来て、男は
店口から小声で云った。 「どうか、今晩のことは、どなたにも御内分にねがいます」 ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
店先には足も踏み立てられないほどに樒の葉が青く積まれてあった。 「もし、今日は」
店口から声をかけると、樒に埋まっているようなお婆さんが屈んだ腰を伸ばして、眼をし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
で気に入ったのは無いと承知の上で、半七はありあわせた麻裏草履を一足買った。かれは
店口に腰をかけて、その草履を穿きかえながら訊いた。 「おかみさん。そこの蕎麦屋の....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
曲って、続いて、三ツばかり横に小座敷が並んでいます。心覚えが、その折曲の処まで、
店口から掛けて、以前、上下の草鞋穿きが休んだ処で、それから先は車を下りた上客が、....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
くが、いいかえ。」 その日も朝から細雨が降っていたが、暮れ六つごろからやんだ。
店口は人出入りが多いので、お峰親子は裏木戸から抜け出すと、文次郎は路地口に待合せ....
「真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
んでいるのを覚ったのかと、わたくしも直ぐに起ち上がって表をのぞくと、近所の亀屋の
店口からも一人の女が出て来ました。その女はお園らしいと見ていると、伊八とその女は....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
か。」と訊けば、誰も来ないという。少し安心して宿に帰れば、かの小せんという芸者が
店口に腰をかけて帳場にいる女房と何か話している。まんざら知らない顔でもなければ、....
「子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
の役をすまして宿へ帰ったのは夜の九つ過ぎ、今の十二時過ぎでしたろう。帰ると、宿の
店口には大きな男が三人ばかり、たばこをのんで待っていました。六三郎の顔を見ると、....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
ますが、少々ずつ修覆をいたす処がありまして、お預り申しておりますので。――はい、
店口にござります、その紫の袈裟を召したのは私が刻みました。祖師のお像でござります....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
な奴で、東京中の床屋という床屋、一軒残らず手を焼いてしまったんで、どこへ行っても
店口から水をぶッかけて追い出すッて工合ですから、しばらくね、消えました。 多日....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ょっと。」 「いらっしゃいまし。」 すっと、そこへ、友染模様が浮出たと見ると、
店口の敷居へ、結綿島田が突伏した。 「やあ、これは、これはどうも、……何分どうぞ....