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店構え
「店構え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
店構えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鮨」より 著者:岡本かの子
福ずしの店のあるところは、この町でも一ばん低まったところで、二階建の銅張りの
店構えは、三四年前表だけを造作したもので、裏の方は崖に支えられている柱の足を根つ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ままに千倉屋の厄介になることにした。千倉屋は旅絵師が想像していたよりも更に大きい
店構えで、十人あまりの奉公人が忙がしそうに働いていた。伝兵衛の女房は七、八年前に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
き込んだだけのことをお話し申しましょう」と、善八は云い出した。「和泉屋という家は
店構えを見ても知られる通り、土地でも旧い店で、身代もしっかりしているという噂です....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
かわらず、いずれも甚だ質素な陰気なもので、大きな店ほど何だか薄暗いような、陰気な
店構えをしているのが多かった。大通りの町々と云っても、平日は寂しいもので――その....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
黒焼き屋が依然として存在している。一軒は昔ふうの建築であり他の一軒は近代的洋風の
店構えになっているのであるが、ともかくも付近に対して著しく異彩を放つ黒焼き屋であ....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
が乾上る惧がある以上、予は怪しげな語学の資本を運転させて、どこまでも教育家らしい
店構えを張りつづける覚悟でいた。いや、たとい米塩の資に窮さないにしても、下手は下....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
イユだとか、メイゾン・バルとか言うような踊り場が挟まっていた。ニスで赧黒く光った
店構えに厚化粧でもしたような花模様が入口のまわりを飾っていた。毒々しいネオンサイ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
マダムとか、ちょッと世なれた女給たちはヨタモノを退散させてくれるものだ。歴とした
店構えの酒屋などの主人に限って、後難を怖れて、客のために何の処置もしてくれない。....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
意万端整うて立派になりつつあるのを見受けるのである。 けれどもその立派になった
店構えが、妙によそよそしく感じられ、入口が何となく入りにくく思われたりするのは何....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ですが、あそこの店の売上げはおよそこれこれと見当がつくのに、あれだけの場所であの
店構えで、よくやっているなと思うような所は赤字である場合が多い。そうでなければ、....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
一驚せざるを得ない。ソバ屋は薄汚い店ばかりだが、スシ屋は磨き立てたような江戸前の
店構えがそろっていて、これだけのスシ屋がみんな盛業中とは呆れ果てたスシ食い族の棲....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
お姫様 「なんだ、なんだ、てめえら。……客か、物貰いか、無銭飲《ただのみ》か。ただしは、景気をつけに来たのか。
店構えがあまり豪勢なんで、びっくりしたような面をしていやがる。……やいやい、入る....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
歩して、久兵衛のごとき、人のうわさでは、鮎川義介翁が後援して近代感覚の素晴らしい
店構えを作っている。それがために、従来にない客種をそろえて寿司王を思わせている。....
「ハワイの食用蛙」より 著者:北大路魯山人
いとする日本人の美食学は、実に世界の最高を行くものだと思います。いうまでもなく、
店構えも立派、すべてが清潔ということも第一条件でありますが、それだけで終わってい....
「すき焼きと鴨料理――洋食雑感――」より 著者:北大路魯山人
新潟の町も東京も知ってはいない。そんな具合だから、道具などなにも持ってはいない。
店構えはとみれば、まるで田舎の博覧会みたいに飾りたて、部屋にはいかがわしい複製の....