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店番
「店番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
店番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
っているのが眼についた。小鬢に禿のある四十ばかりの亭主が行火《あんか》をかかえて
店番をしていた。 「おお、立派な帝釈様がある。それは幾らですえ」と、半七はそらと....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
すが、後にはそれが一つの株になって、自身番の親方というのがそれを預かって、ほかに
店番の男が二、三人ぐらい詰めていました。大きい自身番には、五、六人も控えているの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
をならべている店のまえに立つと、要作は町内の使で何処へか出たらしく、女房のお霜が
店番をしていた。それを横目に見ながら、半七は隣りの自身番へはいると、定番《じょう....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
?」 「下駄屋」 「おッ母さんは?」 「芸者の桂庵」 「兄さんは?」 「勧工場の
店番」 「姉さんは?」 「ないの」 「妹は?」 「芸者を引かされるはず」 「どこ....
「銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
り乱して、しゃくりあげながら次のような陳述をした。 その晩、母の房枝は、君子に
店番を命ずると、澄子を連れて表二階へあがって行った。それが十時頃だった。君子は、....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
した四十恰好の男が、九つか十歳ぐらいの男の子と一緒に、筵の上にしょんぼりと坐って
店番をしています。 その頃にはそういう夜店商人がいくらも出ていましたので、これ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
とが出来なかった。 乞食の茶 都の石氏という家では茶肆を開いて、幼い娘に
店番をさせていた。 ある時、その店へ気ちがいのような乞食が来た。垢だらけの顔を....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
ずみか、ゆらゆらと持上って、ゴム靴の海の上をすれすれに往来へ出ていったのである。
店番をしていた若者はびっくりして後を追《お》い駈《か》けた。幸いその鞄は隣の店の....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
夫を見おろした。 「何に気がついたのかね」 「だって、へんですよ。店には、だれも
店番をしている者がないじゃありませんか。どの店もそうですよ」 「なるほど。それか....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
な」 といって、銀貨を一枚、豆の山の上に、ぽんと放った。 「はい、ありがとう」
店番の少年は、すばやく豆の山の中から、銀貨を摘みあげて、口の中に放りこむと、一袋....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
て包んで置きます、といった風容。……これを少々気にしたが悪いだろうか……お伽堂の
店番を。 三 何、別に仔細はない。客引に使った中年増でもなければ....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ました。「なんでもたしかな品ばかり売るという店があるのだか、そこにはあいにくもう
店番がいる。それがきずさ。こちらの店もあちらの店も「だんな、どうぞおはいりくださ....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
る。 人が沢山たかって来ると何という異臭の強いことであろうか……。 女の人が
店番をしていて御飯をたべている。大きなおはちの中には黄色いごはんが入っていて、お....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
泥濘に幾十百かの足は往来したが、彼の店には一つも入って来なかった。自分のところの
店番の若者と小僧の足袋跣足の足が手持無沙汰に同じ処を右往左往する。眼を挙げて日本....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
とり世話してほしいんだが……』と翁町二丁目の大島という活版屋の主人が店を訪れた。
店番をしていた私は『へい、ちょうどよい男がおりますから、すぐさしむけます』と答え....