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店頭
「店頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
店頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
うな気がします。しかし写真をとったのはわかりません。まさか死後その写真が、どこの
店頭にも飾《かざ》られる事を、――」
少将はほとんど、憤然《ふんぜん》と、青年....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
い者は一寸《ちょっと》誘惑を感じたが気を取直して、
「困るでねえか、そうした事|
店頭《みせさき》でおっ広《ぴろ》げて」
というと、
「困ったら積荷こと探して来《....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
きょう》ばかりは素通りなるべし、と乗り合いは心々に想《おも》いぬ。 御者はこの
店頭《みせさき》に馬を駐《とど》めてけり。わが物得つと、車夫はにわかに勢いを増し....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
しより》がせかせかござって、 「御許《ごゆる》さい、御許さい。」 と遠慮らしく
店頭《みせさき》の戸を敲《たた》く。 天窓《あまど》の上でガッタリ音して、 「....
「妖術」より 著者:泉鏡花
なかったが、一目見られた瞳の力は、刻み込まれたか、と鮮麗に胸に描かれて、白木屋の
店頭に、つつじが急流に燃ゆるような友染の長襦袢のかかったのも、その女が向うへ飛ん....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
居る。下※の大きな、顴骨の高い、耳と額との勝れて小さい、譬えて見れば、古道具屋の
店頭の様な感じのする、調和の外ずれた面構えであるが、それが不思議にも一種の吸引力....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
の旅籠屋、藤屋の前を通った時は、前度いかい世話になった気で、薄暗いまで奥深いあの
店頭に、真鍮の獅噛火鉢がぴかぴかとあるのを見て、略儀ながら、車の上から、帽子を脱....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
梁奔馳する。瓦礫、烟塵、混濁の巷に面した、その中へ、小春の陽炎とともに、貸本屋の
店頭へ、こうした娘姿を映出すのは――何とか区、何とか町、何とか様ア――と、大入の....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
さんが言うのに、まず見た処この拇指に、どの位な働きがあると思わっしゃる、たとえば
店頭で小僧どもが、がやがや騒いでいる処へ、来たよといって拇指を出して御覧なさい、....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
のあたりへその白髪頭を差出したので、面を背けるようにして、客は外の方を視めると、
店頭の釜に突込んで諸白の燗をする、大きな白丁の、中が少くなったが斜めに浮いて見え....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
人の店があるにはありましたが、さきほども申した通り、別に人目を引くように、品物を
店頭に陳列するような事はあまりないようでございました。呉服物なども、良い品物は皆....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
愛いお桂ちゃんに、小遣の出振りが面白い……小買ものや、芝居へ出かけに、お母さんが
店頭に、多人数立働く小僧中僧|若衆たちに、気は配っても見ないふりで、くくり頤の福....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
うは思いがけずしばしば心を失うのである。 その間に軍鶏の健脚は、猫の額のごとき
店頭を往復することをもって満足が出来なくなった。 かつて黒旋風愛吉をして、お夏....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
美しいのが、雪で炎を撫ずるよう、見る目にも危いまで、ともすれば門の柳の淡き影さす
店頭に彳んで、とさかに頬摺する事のあった、およそ小さな鹿ほどはあった一羽の軍鶏。....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
う……大な、古い、張子の福助を見た。色は兀げたが、活きているようで、――(先には
店頭にあったのだと後で聞いた)――息子は好男子なのに、……八郎の言った福助の意味....