府下[語句情報] » 府下

「府下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

府下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外科室」より 著者:泉鏡花
くも口実を設けつつ、予と兄弟もただならざる医学士高峰をしいて、某《それ》の日東京府下の一《ある》病院において、渠《かれ》が刀《とう》を下すべき、貴船《きふね》伯....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
ね」と校長は言い、「実は……」と説明したのはこうだった。ある篤志家があって、大阪府下の貧しい家の子弟に学資を出してやりたい。無論、条件がある。品行方正の秀才で四....
去年」より 著者:伊藤左千夫
、よし響いたにしたところで、松原越しに遠浦の波の音を聞くくらいに聞いたであろう。府下の同業者なども、これまで幾度かあった不景気騒ぎには、さいわいにその荒波に触る....
蠅男」より 著者:海野十三
遂に酬いられて前代未聞の「蠅男」の全貌が始めて明らかになった。中でも悦んだのは、府下を守る捜査陣であった。村松検事も自由の身となった。蠅男が検事に塩田先生殺しの....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
で、その時には祭礼番附が出来た。その祭礼ちゅうに九月十五日の大風雨があって、東京府下だけでも丸|潰れ千八十戸、半つぶれ二千二百二十五戸という大被害で、神田の山車....
紅玉」より 著者:泉鏡花
時。 現代、初冬。 場所。府下郊外の原野。 人物。 画工。侍女。(烏の仮装したる) 貴夫人。老紳士....
露肆」より 著者:泉鏡花
れども、膃肭臍は確です。膃肭臍というものは、やたらむたらにあるものではない。東京府下にも何十人売るものがあるかは知らんですがね、やたらむたらあるもんか。」 と....
黒百合」より 著者:泉鏡花
風采、千破矢家の傳たるに足る竜川守膳が、顔の色を変えて血眼になって、その捜索を、府下における区々の警察に頼み聞えると、両国|回向院のかの鼠小憎の墓前に、居眠をし....
発明小僧」より 著者:海野十三
年実用新案広告第一一六七七号(類別第一十五類五、銃弓及射的玩具)――出願人、東京府下本田村立石、×田×次郎氏。 「登録の請求範囲」というのを見ると、パチンコの構....
大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
「空襲警報」が飛ぶというわけだ。 右の六月十九日の検挙は、曾根崎署だけでなく、府下一斉に行われ、翌日もまたくりかえされたのだが、梅田でもやはり「警報」が出た。....
三枚続」より 著者:泉鏡花
だ背後の私立学校で一科目預っている人物と心得て、先生、先生と謂うが、さにあらず、府下銀座|通なる某新聞の記者で、遠山金之助というのである。 「どうでございます、....
妖怪学」より 著者:井上円了
罪業あるによるなどと申す由に聞き及べり。 しかるにまた、先年ある人の話に、東京府下駒込辺りのある信者の家に、念仏行者体のもの止宿して、参詣人の手の掌中に「仏」....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
見すべしと信ずるをもって、往々弊害を生ずるに至れり。余が聞くところによるに、大阪府下にては一時大いに流行したるも、その弊害したがって生ずるを見、警察署よりこれを....
年賀郵便」より 著者:岡本綺堂
賀郵便を発送するものはなかった。恭賀新年の郵便を送る先は、主に地方の親戚知人で、府下でもよほど辺鄙な不便な所に住んでいない限りは、郵便で回礼の義理を済ませるとい....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
教会のロンドン市中にあるを聞き、一夕これを訪うて会主に面す。会主曰く、この教会当府下に開きて以来、僅々数年を出でずといえども、十余個の分会を英国中に設立するに至....