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府内
「府内〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
府内の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
《ねんきぎ》りの草履取《ぞうりと》りにはいった。
求馬は甚太夫とは別々に、毎日
府内をさまよって歩いた。物慣れた甚太夫は破れ扇に鳥目《ちょうもく》を貰いながら、....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
にたやすく聞き入れられ、六十七万石の封城を、弊履のごとく捨てられ、配所たる豊後国
府内《ぶんごのくにふない》に赴かれた。途中、敦賀にて入道され、法名を一|伯《ぱく....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
わきざしを鞘《さや》ぐるみしっかと口にくわえて、あざやかな抜き手をきりながら、ご
府内名うての大隅田川《おおすみだがわ》を一気にこちらまで泳ぎ渡ってまいりましたの....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
《ばっこ》し、伊豆守のほうでもまた、極度に弾圧取り締まりに力をつくした時代で、ご
府内すなわち江戸市中に浪人の潜入し、跋扈するのを防ぐために、五街道《ごかいどう》....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
通じてくるのである。某の七十頭、某の九十頭など、その惨状は目に見えるようである。
府内はいっさい双蹄獣の出入往来を厳禁し、家々においてもできる限り世間との交通を遮....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
千を国境にまで出したが、国境以外は幕命がなければ兵を進めることは法度である。豊後
府内に居る幕府の目付が救援を許さないので、次第に騒動が大きくなるのを眺めているだ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
た。それから夜の更けるのを待って、二階の窓からそっと抜け出して、檐づたいに丞相の
府内へ忍び込みましたが、その時には俳優が舞台で用いる付け髯を顔いっぱいに付けて、....
「甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
居る」 と云いすてると、馬を進めた。 四月十一日、江戸城が開き、官軍が続々ご
府内へ入込んで来た頃、沖田総司は、臨終の床に在った。枕元には、植甚や、その家族の....
「ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格」より 著者:坂口安吾
ルトガルの商船が一艇やってまいったのであります。もっとこまかく申しますと、豊後の
府内というところの直ぐそばにある臼杵(ウスキ)と申す所へ参ったのであります。 ....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
々幕兵は脱走した。それを引き止めなければならなかった。 で、この夜もただ一人|
府内の動静を探ろうとして、こうして歩いているのであった。 20 芝口の辻を北へ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
しいと思うのである。 鶴見はこうして、東京|麹町隼町で生れたことになっている。
府内は大小区に分けられていたかと思うが麹町隼町に変りはない。幕府でお鷹匠を住まわ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
師というような、変な芸人が産まれたかと思うと、死んでいるはずの老人が生きていてご
府内を歩いたりしている。物騒、物騒、物騒な世間で、油断も隙もなりませんて。人と逢....
「おせん」より 著者:邦枝完二
森のおせんは、江戸一|番の縹緻佳しだ。おいらが拙い絵なんぞに描かないでも、客は御
府内の隅々から、蟻のように寄ってくるわな。――いいたくなけりゃ、聞かずにいようよ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
外部のラサ府を巡る道なんです。この廻道はおよそ三里程ある。其道を一周しますとラサ
府内に在るところのすべての仏および法の宝すなわち経蔵を廻った事になりますから、非....
「寺町」より 著者:岩本素白
るようなところもある。 そういう低みにはきっと小さな寺があって、その門前には御
府内八十八箇所第何番という小さな石が立って居るのである。その又寺の裏には更に細い....