度を越す[語句情報] »
度を越す
「度を越す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
度を越すの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三四郎」より 著者:夏目漱石
ている。はなはだ痛快である。天醜|爛漫《らんまん》としている。ところがこの爛漫が
度を越すと、露悪家同志がお互いに不便を感じてくる。その不便がだんだん高じて極端に....
「渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
に幾度となく這い廻る、正隆の模索は、結局、幾百度繰返しても、要するに模索という程
度を越すことはなかった。それに拘らず、疑わずにはいられない彼は、探究の失敗で、懐....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
けないと思っても怒る。或る程度までは、人間の本性として許すべきいろいろな感情も、
度を越すと、浩には自分自身にとっては卑小に感じられるのであった。)雨が降っても、....
「夜の靴」より 著者:横光利一
ゃ。」 「いや、礼をされて――」 と、このような調子である。冗漫さというものも
度を越すと面白い。これで人生は退屈しないのだ。間もなく、一人がその場へ眠ると、次....
「夏」より 著者:寺田寅彦
一 デパートの夏の午後 街路のアスファルトの表面の温度が華氏の百
度を越すような日の午後に大百貨店の中を歩いていると、私はドビュシーの「フォーヌの....
「掠奪せられたる男」より 著者:豊島与志雄
して山田はそのまま首を垂れた。 暑気は次第に上っていった。午後二時の温度が九十
度を越す日もあった。汗と炎熱とに蒸された市人は、夕方になるとカフェーに集って冷た....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
とを願うものであって、神も仏も必ずやゆるし給うことと信じます。 しかしこれとて
度を越す時は、道楽と虚栄に堕する危険があります。かえりみて警戒すべきことです。 ....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
ね、二人で! ……」 (ははあ)と貝十郎は微笑した。(野の媾曳っていうやつだな。
度を越すと野合という奴になる。……) 「三保子!」と突然荒々しい、男の声が聞こえ....
「探偵小説壇の諸傾向」より 著者:平林初之輔
かと考えられる。空気の振動の回数が増すと、一定限度までは高音に聞こえるが、一定限
度を越すと人間の聴覚には音としてきこえなくなるという。氏の作品は、早晩そうした限....
「『心理試験』を読む」より 著者:平林初之輔
めの刺激、探偵のための探偵といってもよいような場合が許されている。しかしそれが程
度を越すと必然性を犠牲にしなければならなくなり、事件が人生と遊離してくる危険があ....
「十五年」より 著者:山本実彦
労農特派使節として来朝し、囂々たる我が国排ソの重囲にありて、それも三十九度、四十
度を越す重態の床上にありて執筆した労農政府を代表する重要な論文であった。「労農新....