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度外
「度外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
度外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
びだった。葉子はその岡をあわれむ事すらもう忘れていた。
結句船の中の人たちから
度外視されるのを気安い事とまでは思わないでも、葉子はかかる結果にはいっこう無頓着....
「或る女」より 著者:有島武郎
地に目くばせしたが、倉地は無頓着《むとんじゃく》だった。そして古藤のいるのなどは
度外視した傍若無人《ぼうじゃくぶじん》さで、火鉢《ひばち》の向こう座にどっかとあ....
「片信」より 著者:有島武郎
のは取り越し苦労だ。現在の問題だけを(すでに起こりかかりつつある将来の事実などは
度外視して)考えていれば、それでいいのだといわれれば、僕はそういった人と、考えの....
「星座」より 著者:有島武郎
んか、その時はその時のことだ……という万一の僥倖《ぎょうこう》をも、心の奥底では
度外視してはいなかった。
「図星をさされたね」
渡瀬はまたからからと笑って、酒....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
か》に、)という。」
十三
「そこから下りるのだと思われる、松の木の細くッて
度外れに背の高い、ひょろひょろしたおよそ五六間上までは小枝一ツもないのがある。そ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
来の全体)を完成し得るものはない。未来の成行きを考える場合、私という一人の人間を
度外視しては、未来の相は成り立たない。これは少しも高慢な言葉ではない。その未来を....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
いたら、血なまぐさい戦争の光景は見ないで済んだであろうに。東洋の問題をさげすんで
度外視すれば、なんという恐ろしい結果が人類に及ぶことであろう。ヨーロッパの帝国主....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
ばないゆえ、他の生活の道を求めて文学を片商売とするか、或は初めから社会上の位置を
度外して浮世を茶にして自ら慰めるより外仕方が無かったのである。 勿論、今日と雖....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
が雁金検事の前に近づいていった。 「ウララ夫人を早く捜しださにゃいけませんネ。一
度外から帰って来て、死んでいる博士をそのままにして外へ出たという行動は腑に落ちま....
「露肆」より 著者:泉鏡花
四角な口を、額まで闊と開けて、猪首を附元まで窘める、と見ると、仰状に大欠伸。余り
度外れなのに、自分から吃驚して、 「はっ、」と、突掛る八ツ口の手を引張出して、握....
「思い」より 著者:伊丹万作
する会社はもともと利益を唯一の目的として成立したものであつてみれば、彼らが利益を
度外視して、真に虚心坦懐に事をはかるというようなことは、実際問題として期待し得べ....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
者たらんことを期したので、いやしくも明治時代の哲学を回想するに当ってはどうしても
度外視することのできない人物であるが、福沢氏の方はそういう専門的の意味からでなく....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
理を講ずるものがややもすれば一般的普遍的の方面のみに着眼して、特殊的差別的方面を
度外視するの傾向あるは、実践道徳の上から見てはなはだその当を得ざるものである。そ....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
見の衝突があって、学問は思いとどまり、自分で事業を経営して見たがうまく行かず、一
度外国へ立退いて帰ってから一廉の事業企劃家になったのだそうです。良人は四十も過ぎ....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
本的改訂に、最大の努力をなさねばならぬにかかわらず、吉田総理、岡崎外相は、その都
度外交と称せられる、アメリカ追従外交を展開し、日本国家の主体性を没却し、行政協定....