度外視[語句情報] »
度外視
「度外視〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
度外視の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
びだった。葉子はその岡をあわれむ事すらもう忘れていた。
結句船の中の人たちから
度外視されるのを気安い事とまでは思わないでも、葉子はかかる結果にはいっこう無頓着....
「或る女」より 著者:有島武郎
地に目くばせしたが、倉地は無頓着《むとんじゃく》だった。そして古藤のいるのなどは
度外視した傍若無人《ぼうじゃくぶじん》さで、火鉢《ひばち》の向こう座にどっかとあ....
「片信」より 著者:有島武郎
のは取り越し苦労だ。現在の問題だけを(すでに起こりかかりつつある将来の事実などは
度外視して)考えていれば、それでいいのだといわれれば、僕はそういった人と、考えの....
「星座」より 著者:有島武郎
んか、その時はその時のことだ……という万一の僥倖《ぎょうこう》をも、心の奥底では
度外視してはいなかった。
「図星をさされたね」
渡瀬はまたからからと笑って、酒....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
来の全体)を完成し得るものはない。未来の成行きを考える場合、私という一人の人間を
度外視しては、未来の相は成り立たない。これは少しも高慢な言葉ではない。その未来を....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
いたら、血なまぐさい戦争の光景は見ないで済んだであろうに。東洋の問題をさげすんで
度外視すれば、なんという恐ろしい結果が人類に及ぶことであろう。ヨーロッパの帝国主....
「思い」より 著者:伊丹万作
する会社はもともと利益を唯一の目的として成立したものであつてみれば、彼らが利益を
度外視して、真に虚心坦懐に事をはかるというようなことは、実際問題として期待し得べ....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
者たらんことを期したので、いやしくも明治時代の哲学を回想するに当ってはどうしても
度外視することのできない人物であるが、福沢氏の方はそういう専門的の意味からでなく....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
理を講ずるものがややもすれば一般的普遍的の方面のみに着眼して、特殊的差別的方面を
度外視するの傾向あるは、実践道徳の上から見てはなはだその当を得ざるものである。そ....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
んでうたった。 「ハイカラ」は欧化風俗のことであるから、この「欧化」という筋骨を
度外視しては考えられず、欧化そのものについて考える段になると、こんどは又、たちま....
「囚われたる現文壇」より 著者:小川未明
特殊階級の人々には必要なものかも知れぬが、然し此等の作品が民衆的であるべき目的を
度外視して、或る特殊な有産階級とか知識階級の為めにのみ作られるということは、頗る....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
は、所之庄屋五人与より申出候様申付候事。 とある。元禄の頃は当路者も多少エタの
度外視し難い事を知って、その取締りに注意し出した頃であって、それが為に、右の様な....
「特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
ら救ったのは実際真宗であった。それ迄は彼らの多数は、殆ど仏教から縁なき衆生として
度外視されていたのであろう。切支丹の禁制がやかましくなって、いやしくも日本国土に....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
り、長者の統率の下に自治の境界に安んじている場合もある。また国家として永くこれを
度外視し、その自治にのみ放任する訳には行かず、浮浪人の戸籍を作って、一定の課役を....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
* 結局、われわれも茶寮を経営して行かねばならなかったので、利益を
度外視して、ものをすることは絶対出来ませんでしたが、われわれがほかと少し違うとこ....