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度毎
「度毎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
度毎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
の法もすぐにやって見ようとは云わずにいた。そうして一方では、気軽な口調で、食事の
度毎に、弟子の手数をかけるのが、心苦しいと云うような事を云った。内心では勿論弟子....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
実際三日目の夜《よ》には、囲いの行燈《あんどん》に向っていても、雪折れの音のする
度毎に、聞き耳ばかり立てて居りました。
所が三更《さんこう》も過ぎた時分、突然....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
《けっきょ》している、慓悍《ひょうかん》の名を得た侏儒《こびと》でさえ彼に出合う
度毎に、必ず一人ずつは屍骸《しがい》になった。彼はその屍骸から奪った武器や、矢先....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
くなった。私は産室に降りていって、産婦の両手をしっかり握る役目をした。陣痛が起る
度毎《たびごと》に産婆は叱るように産婦を励まして、一分も早く産を終らせようとした....
「振動魔」より 著者:海野十三
子夫人の恐迫に震えあがったのを忘れたかのように、事業や講演に熱中した。だが、その
度毎に、雪子女史の姿が影のようにつきまとっていたのは、寧ろ悲惨であると云いたかっ....
「階段」より 著者:海野十三
ねっとりとした艶とピチピチした触感とを持っていた。その白い脛が階段の一つをのぼる
度毎に、緋色の長い蹴出しが、遣瀬なく搦みつくのであった。歌麿からずっと後になって....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
ピードで、呀っという間に赤オートバイを豆粒位に小さくすることが慣例であって、その
度毎に彼は鼻を高くした。 恰度そのころ、彼には鳥渡気懸りな事件が生じた。それは....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
を、宣戦布告の号外の上に、幾度となく走らせた。彼等は、同じ文句を読みかえして行く
度毎に、まるで別な新しい号外を読むような気がした。 「太平洋戦争だ!」 「いよい....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
利になったというが、我々は電車のお庇で辺鄙が賑かになって家賃が騰るので、延長する
度毎に段々遠くへ転さなくてはならないから、電車の出来たのが却て不便だと云った。 ....
「無表情の表情」より 著者:上村松園
真の国粋を誇りうる芸術だといえましょう。 ◇ 私は、その名人芸を見る
度毎に、精神的な感動を受けます。どうしてこうも神秘なのであろう、こういう姿をした....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
中を呼んで、頤をしゃくッて「宜いかい」というと直ぐに合点したもんだ。二葉亭も来る
度毎に必ずこの常例の釜揚を賞翫したが、一つでは足りないで二つまでペロリと平らげる....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
新聞』の機微に通じていて、編輯部内の内情やら村山の人物、新聞の経営方針などを来る
度毎に精しく話して聞かせた。こっちから訊きもしないのに何故こんな内幕咄をするのか....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
のもあるので、折に触れて渠らと邂逅して渠らの辣手を振う経営ぶりを目のあたりに見る
度毎に自分の経済的手腕の実は余り頼りにならないのを内心|危なッかしく思いながらも....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
骨になりと逢いたい。弟が自身で受取りに行くと申してきかない、などという音信がある
度毎に、自分の死んだ後のありさまを、目のあたりに見る愉快さに、夢中になって居りま....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
んでしょう?』 『ええ、兄の遺志でもあるから、と申して度々私に迫りましたの、その
度毎に私はこの家を逃げ出してしまうかと思いましたんですけれど、御存じの通り行く処....