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「度胆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

度胆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
、配電盤《スイッチ・ボード》の前に立たせ、試験管と薬品とを持たせるならば、彼等の度胆《どぎも》を奪うことなどは何でもない。彼等を征服するには、科学が武器である。....
自叙伝」より 著者:大杉栄
揺れる。下を見ると、幾十丈だか知れない深い谷底に、濃い霧が立ちこめている。僕は幾度胆を冷やしたか知れない。 僕はこの自叙伝を書く準備をしに、最近に、二十年目で....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
狂ったのでなければ意志に表わせぬような決慮を示しているのであるから、その不敵さに度胆を抜かれた形になってしまって、三人がしばらくの間声を奪われていたのも無理では....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
僧はただ目で応え、目で頷く。 二十四 「洋燈の火でさえ、大概|度胆を抜かれたのが、頼みに思った豪傑は負傷するし、今の話でまた変な気になる時分が....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
は女だ、城は蝸牛、何程の事やある、どうとも勝手にしやがれと、小宮山は唐突かれて、度胆を掴まれたのでありますから、少々捨鉢の気味これあり、臆せず後に続くと、割合に....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
旨を、要領よく述べ立てた。その堂々たる弁説と容疑者とは思われぬ明朗さには、一同の度胆を抜くものがあった。 その間法水は外方を向いて、この室の異様な装飾を眺めて....
鵞湖仙人」より 著者:国枝史郎
キチと鳴った。 竹藪の方へ走って来る。 流石の正雪もウーンと唸った。すっかり度胆を抜かれたのである。 彼は地面へ腹這いになった。 サーッと彼等は走って来....
紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
った。 紋十郎と同心とは、下げた頭を尚下げたまま、互いにいつまでも黙っていた。度胆を抜かれた恰好である。 「すんでにあぶないところであったぞ」紋十郎は呟きなが....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
二人は熱心に眺めやった。 危険に対して敏感な、人猿どもは大砲の音に、すっかり度胆を抜かれたと見えて森林の奥へ逃げ込んで一匹も姿を見せなかった。私とダンチョン....
四月馬鹿」より 著者:織田作之助
「弥生さん」には失望したであろう。私もそのような意味では失望した。しかし、読者の度胆を抜くような、そして抜く手も見せぬような巧みに凝られた書出しよりも、何の変哲....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
る、六年前のことだ、……「川那子丹造の真相をあばく」という、題名からして、お前の度胆を抜くような本が、出版された。 忘れもせぬ、……お前も忘れてはおるまい、…....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
降りた。 「えいっ」 待構えていた小机源八郎は飛降りてまだ立直らないところを、度胆を抜くつもりで刀の背打を食わせようとした。 「はっはっはっ」 後の方で又例....
活人形」より 著者:泉鏡花
て助れば、得三もほっと呼吸、「あ、好かった。何者だ、大胆な、人形が声を出したのに度胆を抜かれた処へ幕の後から飛出しゃあがって、ほんとに驚いたぜ。お録、早く内へ連....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
「あッ。やられた!」 どたり、人の倒れる響き、続いて起る物凄い叫び声に本庄は度胆をぬかれた。逃げよう! 踵を転じた刹那、どんと背中を突かれた。 「逃げろ! ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
を強制し、また窮屈な寝台に押し込んでいる。兵の生活様式を急変することは、かれらの度胆を抜き、不慣れの集団生活と絶対服従の規律の前に屈伏させる一手段であるかも知れ....