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度重なる
「度重なる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
度重なるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
鍵鼻《かぎばな》はあっても、内供のような鼻は一つも見当らない。その見当らない事が
度重なるに従って、内供の心は次第にまた不快になった。内供が人と話しながら、思わず....
「星座」より 著者:有島武郎
った。今度が二度目だ。二度行ったら三度行くだろう。三度行ったら四度、五度、六度と
度重なるだろう。どこからそんなことをする金が出てくるか。そのうちにすべての経緯《....
「放浪」より 著者:織田作之助
親指と隣の指をすり合わせていると、きまってこむら返りして痛く、またうっとりした。
度重なるうち、下腹が引きつるような痛みに驚いたが、お婆は脱腸の気だとは感付かなか....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
いつの間にか病人のところへ洩《も》れてしまって、枕元《まくらもと》へ呼び寄せての
度重なる意見もかねがね効目《ききめ》なしと諦《あきら》めていた父親も、今度ばかり....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
逃がさなかった。それも最初のうちはあやまって堪忍されたのであるが、あまりにそれが
度重なるので、ほかの芸人がすべて彼女と一座するのを嫌うようになった。結局かれは香....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
らないで、杉の森新道の隠居所へ押し掛けて行く。最初は金をいたぶっていたんですが、
度重なるうちに色気にころんで来る。それが斯ういう奴らの手で、色気の方に関係を付け....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
這入りこむと妙なもので、最前までの気持とはガラリと変り、いやに気が落着いて来た。
度重なる夜々の冒険が、僕の心をひき緊めたのでもあろうか。それともいまだ経験したこ....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
ど互いにオクビにも出さない様にしていたんですが、そうした余り気持のよくない事故が
度重なるに従って、追々にやり切れなくなって来たんです。そしてとうとう、当時より三....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
対する感謝と、自分のやり方に対する、得意さは、一日々々顕著になっていた。リンチが
度重なるに従って、工人の挙動がおとなしくなってきた。社員に、おべっかを使うように....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
いうものであろう、しかし私はそれをどうすることも出来ない。 こうした類の経験が
度重なるにつれ、それは次第に私をこの画家から遠ざけた。 翰墨会の夢は再び返らず....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
せてやったのじゃ。最初の間は二人とも半信半疑であったものの、それが三|度五|度と
度重なるに連れて、漸くこれではならぬと気がついて、しばらくすると、現世から清らか....
「安死術」より 著者:小酒井不木
しながら、多くの患者に無意味な苦痛を与えたのであります。そうして、かようなことが
度重なるにつれ、一日も早く都会を去って、自分の良心の命ずるままに、自由に活動の出....
「おせん」より 著者:邦枝完二
と遊びの夫婦にも、吉ちゃんはあたいの旦那、おせんちゃんはおいらのお上さんだよと、
度重なる文句はいつか遊び仲間に知れ渡って、自分の口からいわずとも、二人は真ぐさま....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
たるい傾城を相手の台詞を云うことが、彼の心の中に、ぼんやりとした不快を起すことが
度重なるようになっていた。が、彼は未だいいだろう、未だいいだろうと思いながら一日....
「放浪」より 著者:織田作之助
と隣の指をこ擦り合わせていると、きまってこむら返りして痛く、またうっとりとした。
度重なる内、下腹が引きつるような痛みに驚いたが、お婆は脱腸の気だとは感付かなかっ....