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座り
「座り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
座りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
万年の生い立ちの話をするなんて、あんまり親をばかにし過ぎるぞ。……いくらこの山の
座り幅が広いたって、三国か四国に亙っているに過ぎまい。それを海山遠く取入れた話を....
「河明り」より 著者:岡本かの子
のが、幸だった。 私はうすら冷たくほのぼのとした河明りが、障子にうつるこの室に
座りながら、私の最初のプランである、私の物語の娘に附与すべき性格を捕捉する努力を....
「海底都市」より 著者:海野十三
き》ははぎとられていた。まっ裸だ。これにはおどろき、かつあきれてしまい、その場に
座り直した。そしてあたりをぐるぐると見まわした。 へんな場所であった。 お伽....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
もたせかけたままであった。ところが一時間ばかりした後、その男はすこし動いた。彼は
座り直した。片坐禅《かたざぜん》のように、片足を手でもちあげて、もう一方の脚の上....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
ないよ。ごま化すない。それよりも、おれはお前にいいつけることがある、さ、もう一度
座りなよ」 「お志万さんのことなら、何度いっても駄目だ」 「そのことじゃねえ。商....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
かされたんで、よく知っとります」と、細君がまた銚子を持って出て来て、僕等のそばに
座り込んだ。 「奥さんがその楯になるつもりです、ね?」 「そうやも知れまへん」と....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
」 トマト姫は、そういいながら、大総督の膝の間へ小さなお尻を入れ、絨毯のうえへ
座りこんでしまった。 「どうも、困った奴じゃ」 と、大総督はいったが、眼に入れ....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
は一旦あげた面を、へへッとまた畳とすれすれに下げた。 「まことに以て面目次第も御
座りませぬが、高松半之丞様御行方のところは、只今もって相分りませぬような仕儀で…....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
れたのだ。 「まあ、私をお助け下さる為に、旦那様に此御難儀を掛けまして、申訳が御
座りませぬ」と小虎まで蒼く成った。 「藻切りに心奪われて、此方には気が着かなんだ....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
わすぞ」 力に委せて武道者は、笞刑を美少年に試みようとした。 「この上は是非御
座りませぬ。御心委せに致しまする。が、お情けには、人に見られぬ処にて、お仕置受け....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
は、江戸にいる頃から憧憬れておりました。そこをぜひ画道修業の為に、視ておきとう御
座りまする」 「それは御熱心な事で御座る。幸い当方に於いても、三面の奇景は申すに....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
向き直った。 「いや、その前に、当家の主人を呼出して、内意を漏らしてはいかがで御
座りましょう」と総髪のがちょっと分別顔をした。 「なる程、俊良殿の云われる通り、....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
「あ、君か……」 若旦那は思ったとおり親切であった。すでに車の中にゆったりと
座りこんで、匂いのいい煙草をふかしながら、先を急ぐ用事を控えているらしいにも拘ら....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
戚では、思わぬ拾いものをしているとか、いないとか。 兼さんがお寺の門の前へまた
座り込んだという話を聞いて、私は彼を訪ねて見た。むろん昔の小学校におけるこの同輩....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
在でになります。そこには大旦那様のお油画の大きなのが掲げてございます。その前にお
座りになり、御肖像に向ってさめざめと泣いて入らっしゃるのでございます。お可哀想で....