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座上
「座上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
座上の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「牛肉と馬鈴薯」より 著者:国木田独歩
中の主義って言う奴ほど愚なものはない」と岡本はその冴《さ》え冴《ざ》えした眼光を
座上に放った。 「その説を承たまわろう、是非願いたい!」と近藤はその四角な腮《あ....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
て、結綿の綺麗な姿が、可恐そうな、可憐な風情で、並んでそこへ、呼出されたように、
座上の胸に描かれた。 「つかん事を聞くがね、どこかこの近所で、今夜あたりお産をし....
「観画談」より 著者:幸田露伴
中で知合になった遊歴者、その時分は折節そういう人があったもので、律詩の一、二章も
座上で作ることが出来て、ちょっと米法山水や懐素くさい草書で白ぶすまを汚せる位の器....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
はそんなものを懐にする人ではなかった。それを見るとたちまち顔色を変えて、その剣を
座上に投げ捨てた。その時の家茂の言葉に、朝廷を尊崇して参内する身に危害を加えよう....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
道する。この樹は枝が宝竜のごとく百の宝華《ほうげ》を吐く故この名あり。初めに金剛
座上で説法し九十六億人阿羅漢を得、二会と三会に城外の華林園で説法し、九十四億と九....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
んでおとなしくしたという。田舎者でござるから、というようなものだ。そこで盃が二ツ
座上に出された。利家は座の中へ出て、殿下の意を伝え、諸大名も自分も双方の仲好から....
「細木香以」より 著者:森鴎外
簡易な買収の法を取った。後藤の取巻一同には茶弘の祝儀包が配られた。 紫玉は包を
座上に抛って茶弘を罵った。後藤が折角の催もこの殺風景のために興を破られて客は程な....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、そうして総花《そうばな》として、今坂の三蒸籠も奮発しようというくらいだから、一
座上下みんないい心持で、道庵に好意を持たないのはありません。ですから、次の幕の面....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
芸守をたずねると、鈴木は、客間に杯盤を設けて、打ちくつろいで神尾を迎えたが、その
座上に連なる二三子というのも、意外に皆、打砕けた気風で、御家人もあるが、いささか....
「成仙」より 著者:田中貢太郎
れていて人が傍へいっても驚かなかった。その鳴く声は笛の音のようであったが、時おり
座上へ入って来て鳴いた。周はひどくふしぎに思いながらも若い細君のことをはじめ世の....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
便あり。 一、皆|其の知恵者より成れり。 一、沈黙にして雄弁なり。 一、朋友と面
座上に接す。 一、其の物より求めらるゝの煩なし。 一、依之我を教育す。 一、年を....
「近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
ている。二種の流俗が入り交った現代の日本に処するには、――近藤君もしっかりと金剛
座上に尻を据えて、死身に修業をしなければなるまい。 近藤君に始めて会ったのは、....
「三国志」より 著者:吉川英治
かれた。酒泉を汲みあう客たちの瑠璃杯に、薫々の夜虹は堂中の歓語笑声をつらぬいて、
座上はようやく杯盤狼藉となり、楽人楽器を擁してあらわれ、騒客杯を挙げて歌舞し、眼....
「三国志」より 著者:吉川英治
がわしを惑わせたため、こんなことになったのだ。賢人、ゆるし給え」 と、玄徳を、
座上に請じて、沮授に謝罪の礼をとらせ、そのまま敗戦|挽回の策を議し始めた。 す....