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座中
「座中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
座中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
。クレオパトラは七歳になったばかりの大きな水晶のような眼を眠そうにしばたたいて、
座中の顔を一つ一つ見廻わしていた。
「誰か送ってやれ」
人見が送りたがっている....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
不審の眉《まゆ》を攅《あつ》めたる前《さき》の世話人は、腕を拱《こまぬ》きつつ
座中を※《みまわ》して、 「皆さん、なんと思し召す? こりゃ尋常事《ただごと》じ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
二階の六畳の書斎へ入ると、机の向うへ引附けるは失礼らしいと思ったそうで、火鉢を
座中へ持って出て、床の間の前に坐り蒲団。 「どうぞ、お敷きなさいまし。」 主税....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
うことは到底否定することができない。太陽は天上の(A)点、すなわち、ヘルクレス星
座中で、琴座との境界に近い一点に向かって進んでいる。そうしてこれと正反対の位置に....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
織の袂が、すっと映る。そのかわり、じっと沈んで暗くなると、紺の縦縞が消々になる。
座中は目で探って、やっと一人の膝、誰かの胸、別のまた頬のあたり、片袖などが、風で....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
の破裂しそうな煙硝の匂いもしなかったし、イペリット瓦斯の悪臭も感じられなかった。
座中の或る者が、 「唯今、私が給仕を呼びますから」と言ったので一同は子供のように....
「河明り」より 著者:岡本かの子
、室内はただ明るく楽しいことが、事務的に捗取って行く宴座となった。けれども、娘は
座中の奉仕を決して、義務と感ずるような気色は少しも見せず、室内の空気に積極的に同....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
涼の気を齎らして剰余あった。 膚の白さも雪なれば、瞳も露の涼しい中にも、拳って
座中の明星と称えられた村井|紫玉が、 「まあ……前刻の、あの、小さな児は?」 ....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
増しただけ互選のおくれた初夜過ぎに、はじめて約束の酒となった。が、筆のついでに、
座中の各自が、好、悪、その季節、花の名、声、人、鳥、虫などを書きしるして、揃った....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
十四 これへ何と、前触のあった百万遍を持込みましたろうではありませんか、
座中の紳士貴婦人方、都育ちのお方にはお覚えはないのでありまするが、三太やあい、迷....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
突当る、出処なければ引返さむとする時、慌しく立ちたるわれに、また道を妨げられて、
座中に踞りたるは汚き猫なりき。 背をすくめて四足を立て、眼を瞋らして呻りたる、....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
く、 「おや、おや。」と口の中、女中は極の悪そうに顔を赤らめながら、変な顔をして
座中を※すと、誰も居ないで寂として、釜の湯がチンチン、途切れてはチンという。 ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
薄暗い谷に沈む。 十三 女巫澆酒雲満空。玉炉炭火香鼕鼕。海神山鬼来
座中。紙銭※風。相思木帖金舞鸞。 ※杯盤。山魅食時人森寒。 境の足は猿ヶ馬場に....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
の団扇使を待ってたんだ。様あ見やがれ、」というと、嶮のある目を屹と見据え、今なお
座中に横わって、墨色も鮮に、五千疋とある奉書包に集めた瞳を、人指指の尖で三方へ突....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
青木氏の報知を得たれば、氏の実験の始末を左に掲げて、その一例を示さん。 (前略)
座中の一人盆に向かい、よびて曰く、「狐狗狸よ、狐狗狸よ、汝の座をここに設けたり。....