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「座右〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

座右の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
聖書」より 著者:生田春月
つの間にかどしどしイプセンに進んでいた。イプセンと聖書、イプセンは常に聖書だけは座右を離さなかったというから、これもまんざら関係がないでもないと思う。 Kさん....
温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
と想像する人もあるようだが、私の観たところでは全く支那趣味の人だった。夏目さんの座右の物は殆んど凡て支那趣味であった。 硝子のインキスタンドが大嫌いで、先生は....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
がらん堂の一つ道具に、机わきの柱にかけた、真田が短銃の両提。 鉄の煙管はいつも座右に、いまも持って、巻莨の空缶の粉煙草を捻りながら、余りの事に、まだ喫む隙を見....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
みて眼界近くなりけるにぞ、お通は心から見るともなしに、ふとその囚徒を見るや否や、座右の良人を流眄に懸けつ。かつて「どうするか見ろ」と良人がいいし、それは、すなわ....
岡本一平論」より 著者:岡本かの子
に終ったアンゼロを愛するという具合です。 近代の人ではアンリー・ルッソーの画を座右にして居ます。元来氏は、他に対して非常な寛容を持って居る方です。それは、時に....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
折りざまに、お米を内へ抱え込むと、ばったり諸共に畳の上。 この煽りに、婆さんが座右の火鉢の火の、先刻からじょうに成果てたのが、真白にぱっと散って、女の黒髪にも....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
弟が心を籠めて遣せる一産物たるには相違ないのである。今や製本成り、紀念として之を座右に謹呈するに当たり、この由来の一端を記すこと爾り。 淺野正恭 霊界通信――....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
いるのだと思っている。洋の東西、古今を問わず、卑しくも私の趣味性を唆るものあらば座右に備えて悠々自適し、興来って新古の壱巻をも繙けば、河鹿笛もならし、朝鮮太鼓も....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
なくも三遍位は通して読んだので、その頃は『八犬伝』のドコかが三冊や四冊は欠かさず座右にあったのだから会心の個処は何遍読んだか解らない。(私には限らない、当時の貸....
註文帳」より 著者:泉鏡花
。 「どうして、酒と聞くと身震がするんだ、どうも、」 と言いながら顔を上げて、座右のお杉と、彼方に目の覚めるようなお若の姿とを屹と見ながら、明い洋燈と、今青い....
茶の本」より 著者:岡倉由三郎
した兄のボストンの居室の机の上にはきっと一冊の『茶経』が開かれていたに違いない。座右にはまだ類似の書物が二三冊あったかもしれぬが、たぶんはかつて読んだり耳にした....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
に囚われていた。例えば現時の文学に対しても、露伴を第一人者であると推しながらも、座右に置いたのは紅葉全集であった。近松でも西鶴でも内的概念よりはヨリ多くデリケー....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
芸は評判であったが、中には随分人を喰った芸もあった。椿岳は平素琵琶を愛して片時も座右を離さなかったので、椿岳の琵琶といえばかなりな名人のように聞えていた。が、実....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
字新聞数十種に常に眼を晒らしていた。『外交時報』は第一号から全部を取揃えて少しも座右から離さなかった。) かくの如く全力を傾倒して国際問題を鋭意研究したのは本....
想い出」より 著者:上村松園
覧会に私の絵をお選び下さいまして、その時御褒美に硯を頂戴致しました。この硯は永年座右に愛用致しまして蓋の金文字がすっかり消えてしまいましたが、幼い私の中に画家を....