座席[語句情報] »
座席
「座席〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
座席の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
ければならない筈である。所が、この逆上では、登城の際、附合《つきあい》の諸大名、
座席同列の旗本仲間へ、どんな無礼を働くか知れたものではない。万一それから刃傷沙汰....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
んな事は気にかける余裕もなく、すぐ電車へ飛び乗って、すいているのを幸と、まん中の
座席へ腰を下したそうです。すると一時恢復したように見えた疲労が、意地悪くまだ残っ....
「片信」より 著者:有島武郎
よ。相当にぜいたくのできる生活をして、こういう態度に出るほど今の世に居心地のよい
座席はちょっとあるまいと思われるから。自己の心情の矛盾に対して、平らかなりえない....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
野を行くように彼女は歩いた。 クララは寺の入口を這入るとまっすぐにシッフィ家の
座席に行ってアグネスの側に坐を占めた。彼女はフォルテブラッチョ家の
座席からオッタ....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
、烏啼天駆のところへ集ってくる。 しばらくして大宮駅から報告があって、袋探偵は
座席で毛布にくるまって寝入っていると知らせて来た。 「よかろう。猫々め、暗号文に....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
流が通っていない。やっぱりそうだったんだ。故障の箇所はどこだろうかと、千ちゃんは
座席から立ちあがってはしごで下へおり、テレビジョン装置をしらべてみた。しかしアイ....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
三号車は、わりあいすいていたようである。誰も、この空襲下に、わざと縁起のよくない
座席を選ぶ者もなかったからであった。 「あなたは、黙っていらしてよ。女が出る方が....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
て、電信員の山岸少年が、無線装置に向かいあっている。 おもしろいのは、みんなの
座席が、重力の方向に曲がっていることだ。艇は殆ど垂直に近い角度で上昇しているので....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
ゆき、二里ゆき、三里ゆき、思いのほか、田畑も見えず、ほとんど森林地帯を馳る。……
座席の青いのに、濃い緑が色を合わせて、日の光は、ちらちらと銀の蝶の形して、影も翼....
「薬」より 著者:井上紅梅
り謀叛を勧めていやがる」 「おやおや、そんなことまでもしたのかね」 後ろの方の
座席にいた二十余りの男は憤慨の色を現わした。 「まあ聴きなさい。赤眼の阿義が訊問....
「村芝居」より 著者:井上紅梅
った。 わたしは叫天の出る幕が遅いと聞いていたので、第一舞台は新式の劇場だから
座席を争うようなことはあるまいと、わざと九時まで時を過してやっとこさと出て行った....
「車中有感」より 著者:上村松園
るのが聞えて来たので、わたくしは、その声に何気なく振り返ると、ちょうどわたくしの
座席と反対側の
座席に、洋装の美しい若い女が、可愛い誕生前後とおぼしい幼児を抱えて....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
って汽車をおりればよい。出口で人ともみ合わなくともよい。汽車にのればちゃんと私の
座席がそこにとってくれてある。そういったわけで一切合財何から何まで先方の人がやっ....
「古い記憶を辿って」より 著者:上村松園
りになる少し前の事でした。電車で、所用があって外出しましたとき、ふとみると、私の
座席の向こう側に春挙さんが偶然にも乗り合わせていられました。その時ちょうど私の方....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
みるなら、劇場で演技者たちの言葉を聴き取ることができるためには僕はオーケストラの
座席のすぐ脇にいなければならない。少しでも遠ざかると、楽器の高い調子の音も肉声も....