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「庫裏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

庫裏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
機関車」より 著者:佐左木俊郎
た。何かしらそこに相互的な関係を考えずにはいられなかった。 三 機関庫裏には、滝の湯の方への、割合に平坦な路が一本うねっていた。吉田は機関庫の宿直室....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
半七は草を踏みわけて進んでゆくと、死骸の見いだされた古井戸はそれであると、友吉は庫裏《くり》の前を指さして教えた。大きい百日紅《さるすべり》の下にある石の井筒に....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れて、墓場の奥に逃げ込んだが、留吉が途中で倒れた為に長追いをしないと見て、そっと庫裏《くり》へまわって、寺男に縄を解かせた。しかも迂闊《うかつ》に表へ出るのは危....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
きよせられたいろいろの落葉が、玄関に通う石甃《いしだたみ》を一面にうずめていた。庫裏《くり》をのぞくと、寺男の銀蔵おやじが薄暗い土間で枯れ枝をたばねていた。 「....
地中魔」より 著者:海野十三
珍探偵で、彼も勇ましくこれに加わって一行は十一人となった。早速、横浜正金銀行の金庫裏から地中にもぐりこんだ。 わが少年探偵三吉は、参加したいのを怺え、師の帆村....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ては斯う答えるのほかはあるまいと、半七も推量した。更に二、三の問答を終って二人は庫裏の方へまわって見ると、納所の了哲と小坊主の智心があき地へ出て、焚き物にするら....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
広間。正面に仏壇。左右に古雅な絵模様ある襖。灯盞にお灯明が燃えている。回り廊下。庫裏と奥院とに通ず。横手の廊下に鐘が釣ってある。 人物 唯円 僧数人 小僧一人 ....
火薬船」より 著者:海野十三
水夫竹見は、気が変になったようになって、重態の恩人ハルクをさがしまわった。 倉庫裏のせまい路地を、彼は鼠のようにかけまわりもした。雑草園の饗宴のどよめきに気が....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
。」 片手に蝋燭を、ちらちら、片手に少しばかり火を入れた十能を持って、婆さんが庫裏から出た。 「糸塚さんへ置いて行きます、あとで気をつけて下さいましよ、烏が火....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
の室へ引き退り、昼寝をはじめたのである。ところが、急に用事ができたので正通和尚は庫裏から、守鶴の室へ向かって、幾度か呼んだけれど、返辞がない。 そこで和尚は、....
増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
五千両の無心 慶応二年師走のある寒い昧暗、芝増上寺の庫裏を二人の若い武士が襲った。二人とも、麻の草鞋に野袴、革の襷を十字にかけた肉瘤....
みやこ鳥」より 著者:佐藤垢石
ことばかりではない、おれの性根もなおるだろう。 私は、田圃の畦道を歩いた。寺の庫裏の広い土間へ立って、 『ご免なさい、ご免なさい』 と幾度も繰り返した。漸く....
狂女と犬」より 著者:小酒井不木
なものがぼんやり見えるだけだったから、冒険好きな私も、一種異様の恐怖を感じ、寺の庫裏をめがけて、逃げるようにかけつけ、どんどん戸をたたいたのである。 すると中....
五重塔」より 著者:幸田露伴
が、ふと思いよりたまえば川越の源太もこの工事をことのほかに望める上、彼には本堂|庫裏客殿作らせし因みもあり、しかも設計予算まではや做し出してわが眼に入れしも四五....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
りに中門がございまするが、白塗りにて竜宮の様な妙な形の中門で、右の方はお台所から庫裏に繋っており、正面は本堂で、曹洞派の禅林で、安国山総寧寺と云っては名高い禅寺....