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庭上
「庭上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
庭上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「食魔」より 著者:岡本かの子
、少くとも利休が与四郎時代秋の庭を掃き浄めたのち、あらためて一握りの紅葉をもって
庭上に撒き散らしたという利休の趣味性の早熟を物語る逸話から聯想して来る与四郎は、....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
いての話をしたら、その人は、なるほど今は若葉時かと言ってはじめて気がついたように
庭上を見渡した。忙しい忙しいで時候が今どんなだかそんなことを考えたりする余裕はな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
月十日あまりに福原よりぞ上り給ふ、何事も皆変りはてて、稀に残る家は門前草深くして
庭上露|茂《しげ》し、蓬《よもぎ》が杣《そま》、浅茅《あさぢ》が原《はら》、鳥の....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
。農民が無知だなどという奥様方や老嬢達こそ無知だったのだ。 資本家の事業上又家
庭上の経済的要求が、身売防止運動の道徳的活動によって、如何に立派に充されつつある....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を御覧になるように申し上げたが、世嗣はこれをことわって、
「侍たる者を裸にして、
庭上を引きずり廻ることは、更に行儀にあらず、作法が闕《か》ける。水あびせの事重ね....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ただ不思議と思われるのは、高い樹上で怒号している親鷲なるものが、なぜもっと近く、
庭上、少なくとも地上まで降りて来ないかということでありました。いかに猛禽《もうき....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
りの調子を失わないで語ってきかした。彼は逃げ出そうとしたのだった。しかし父は、家
庭上の礼儀と年長者に払うべき尊敬との問題については、嘲弄《ちょうろう》を許さなか....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
、秋元の居間から幽かに聞こえ、そうして襖が一二度開き、そうして足音が家の中から、
庭上へ移ったということなぞに、感付かなかったのは当然と云えよう。 骸を前の新生の....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
た。月は澄みきった空に漂い、その光は物象を清く蒼白く、神々しい姿に照らしていた。
庭上の人影 間もなく死ぬ運命の二人ではあったが、この美しい夜の景色には、うっと....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
訳などございますものか」 「なかなかもってそうでない。すべて燈籠の据え方には、造
庭上の故実があって、それがなかなかむずかしい」 「おやおや話がそれますこと」 「....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
れに就いては奥さんも詳しく知らないと言った。先生は元来が寡言の方で、ふだんでも家
庭上必要の用件以外には、あまり多く奥さんやお嬢さんと談話をまじえない習慣であるの....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
は旅館になっている。万事アルバイト時代である。そこの名園(?)から竹林派という造
庭上の名が起ったのだそうだが、そこのフモトの汚い谷底に神武天皇の昔光ったという井....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
き巧《たくみ》に室内の光景と花卉《かき》とを配合せり。彼が描く処の室内の光景及び
庭上階下窓外の草木《そうもく》は人物と同じく極めて単純にしてまた極めて写生に遠ざ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
改訂を行いつつあった。ところが八月六日後堀河院が崩御されたので、悲歎の余り翌七日
庭上に草本廿巻を置いて焼き棄ててしまった。その後十月になって、九条道家が院の御手....
「偶言」より 著者:津田左右吉
同じ書の「なほ世にめでたきもの」の条下にある「正月十日、空いと暗う」という一節は
庭上の色彩が極めて微細に写されてあるが、「桃の木若かだちて、いとしもとがちにさし....