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庭口
「庭口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
庭口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
小声に力をこめて彼は幾たびも念を押すと、藻は無言でうなずいて、柿の木の下から狭い
庭口へ消えるように姿をかくした。彼女が我が家へはいるのを見とどけて、千枝松はぬき....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
れないので、彼女は白い脛《はぎ》にからみつく長い裳《すそ》を引き揚げながら、同じ
庭口から二人のあとを追って行った。 小夜時雨《さよしぐれ》、それはいつの間にか....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に忍んで来た。或いは使にゆく振りをして出て来たのかも知れない。かれは抜き足をして
庭口から縁先へ忍び寄って、おそらく咳払いくらいの合図をしたであろうが、内には見す....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
かさん。どうしたんですよ。」 その声におどろいて女中たちも起きて来ました。父も
庭口から戻って来ました。水や薬をのませて介抱して、母はやがて正気にかえりましたが....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
した時は、草に支えて、しばらく足が出ませんでございました。 それと申すが、まず
庭口と思う処で、キリキリトーンと、余程その大轆轤の、刎釣瓶を汲上げますような音が....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
いや、どッこいな。」と立つ。 十九 帰りたくなると委細は構わず、
庭口から、とぼとぼと戸外へ出て行く。荒物屋の婆はこの時分から忙しい商売がある、隣....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れに縁側へ抜け出して、それから行くえが知れねえんだね。おい、木戸をあけておいらを
庭口へ廻らしてくれねえか」と、半七は云った。 お竹が奥へ取次いだとみえて、大番....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
かしその現場のありさまで二人の死因だけは容易に判断することが出来ました。兇行者は
庭口から縁側へあがって、それから座敷へ忍び込んで、机の前に坐っている健吉にむかっ....
「兜」より 著者:岡本綺堂
でも彰義隊の落武者を拒むものは無かった。ここの家でもこころよく承知して、勘次郎を
庭口から奥へ案内した。百姓家とも付かず、店屋とも付かない家で、表には腰高の障子を....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
奥にいた女中は、蛇がと聞いただけでアレソレ打騒いで戸障子へ当っただよ。 私先ず
庭口から入って、其処さ縁側で案内して、それから台所口に行ってあっちこっち探索のし....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
やいた。 「お身にちと訊きたいことがある。さりとてこの廊下で立ち話もなるまい。お
庭口まで出てたもらぬか。」 「なんの御用でござります。」 「はて、判らぬ人じゃ。....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
。 (おさきは縁側の障子を半分しめて奥に入る。お冬はひとりで泣きながら薬をのむ。
庭口より和吉が忍んで出で、あと先を見まわしながら縁先に来る。) 和吉 (小声で。....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
いつも入込に教を授かる、居心の知れた座敷ではあったけれども、不断とは勝手が違った
庭口から案内なしの推参である上に、門でも裏でも取ってつけない挨拶をされた先刻の今....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
思うと、そうじゃない。やっと気が着いた、分らないのも道理こそ。 向うに見える、
庭口から巣鴨の通へ出ようとする枝折門に、曳きつけた腕車の傍に、栗梅のお召縮緬の吾....
「活人形」より 著者:泉鏡花
逢い、一条の物語に少しく隙の取れたるにぞ、いでこの時と泰助は、下枝を抱きて易々と
庭口に立出づれば、得右衛門待受けて、彼はお藤を背に荷い、これは下枝を肩に懸けて、....