庭木戸[語句情報] » 庭木戸

「庭木戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

庭木戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三四郎」より 著者:夏目漱石
がないということを考えだした。また椽側へ腰をかけた。かけて二分もしたかと思うと、庭木戸がすうとあいた。そうして思いもよらぬ池の女が庭の中にあらわれた。 二方は....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
だそうです」 「そこで花鳥がお節の替玉になったんですね」 「花鳥はお節の手引きで庭木戸から忍び込んで、人の見ないところで二人の着物を取り換えたんです。お節は花鳥....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
致しつかわすがよい。さあ、こちらへ来い」 と、闇太郎を伴《つ》れて、玄関から、庭木戸を潜って、奥庭に面した座敷の、廊下外に導いた。 一七 庭上に突ッ立っ....
伸子」より 著者:宮本百合子
感じた。 五 伸子はある日動坂へ行った。母は留守であった。彼女はそれを知ると、庭木戸から隠居所の縁側に廻った。針箱が出ているが、祖母の姿はその辺に見えなかった....
一九二五年より一九二七年一月まで」より 著者:宮本百合子
夢(Yの) 父が子供につき落されて、川(庭に引き入れた)に落つ。――勝太郎が庭木戸から入って来たら、他の子供たちがついて来たので、 「そんなところから来ちゃ....
風立ちぬ」より 著者:堀辰雄
るでしょう。……どうぞ、構わんから、其処からあちらへ……」と父は鋏をもった手で、庭木戸の方を示した。私はやっと植込みの中を潜り抜けると、蔦《つた》がからみついて....
追憶」より 著者:宮本百合子
ずつ噛みしめて食べて居た様子がありありと目に浮ぶ程である。 或る日いつもの様に庭木戸の方から入って来た彼は、縁側にドサリと腰を下すと持って来た杖がころがったの....
盗難」より 著者:宮本百合子
な泥助だ」と思いながら彼方此方歩いて居ると、じきに三十形恰の人のよさそうな巡査が庭木戸の方から入って来た。 家中の者は、此のたった一人の「おまわりさん」が家の....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
の種集めをして町会へ届ける用が出来て、其をやって戻り、この机に向ったら犬が吠え、庭木戸から女の人が入って来て、見れば犬を抱いて居ります。先月の六日頃、手術をしに....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
りのようではないが、という話。そのときはもう午前二時であった。 翌朝、月田家の庭木戸の外の路上に、ノド笛をくいきられ、帯をといて着物をはがれ腹をさかれて肝臓を....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
さて、用がすんだ。ナミはお連れした道を通って、伊助さんをお送りしてあげるがよい。庭木戸から出て塀に沿うて門まで、アベコベに一通りやりなさい。来るが如くに去る。去....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
眠うなるまではここにいて、相手してくれやらぬか」 「はい」 逃げ出そうとすれば庭木戸の傍に母親が隠れて頑張っている筈。それを突破して逃げる程のそれだけの勇気も....
日蔭の街」より 著者:松本泰
、市中の住居とは思われない程であった。 フト気がつくと、窓の下の横通りに面した庭木戸が二寸計り開いていて、屋根を離れた朝日が戸の隙間を赤くしていた。 「誰かが....
おせん」より 著者:邦枝完二
。――」 「お待ち遊ばせ」 しかも、年に一|度も、駆けたことなどのないお蓮は、庭木戸を出は出たものの、既に脚が釣るまでに疲れ果てて、口の中で菊之丞の名を呼びな....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
ですよ、ここへ呼んでやろうとね」とアクシーニヤは釘をさして、よちよち家鴨のように庭木戸の方へ歩み去った。 カテリーナ・リヴォーヴナは、セルゲイにも猫の話をして....